今月の不動産の見通し

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第38回

今月の不動産の見通し

6月は、ニュースでもしばしば「シドニーの不動産は今まさにバブルの絶頂ではないか」と報じられていました。昨月のコラムでも書いたように、私たちはバブルの真っ只中はその事実に気付かず、バブルがはじけてから初めて「バブルだった」と気付くと言われています。

さて、6月はシドニーの不動産市場も活発な動きを見せました。ダーリング・ハーバーに新しくできる大型プロジェクト第2段(1ベッド・ルーム:80万ドル~、2ベッド・ルーム:120万ドル~)が6月上旬に販売され、販売開始わずか5時間で600世帯が完売しました。購入者は、海外の投資家も多かったようですが、ローカルのエクゼクティブ・クラスの人の中には、郊外の家を売却し、市内の職場に近い暮らし「シティ・リビング」を実現するために物件を購入した人も結構いるようです。私の知人の不動産エージェントは、投資のために3ベッド・ルームを200万ドルで購入しました。プレミアムな場所ゆえに価格の上昇が見込めることから、値上がりしたらすぐに売却するそうです。

NSW州では、さまざまな住宅開発計画が進んでいます。たとえば、今後15年で4億ドルを投じ、新たな住宅用地を開発し66万4,000世帯が居住できる住宅が建築できる計画もあると言われています。しかし万が一、シドニーでバブルがはじけたら、日本のように住宅価格崩壊に陥ってしまうのでしょうか。日本では住宅が供給過剰であったため大きな値崩れが起こりました。ただ、シドニーは現在も住宅が不足している状況のため、「バブルははじけない」と予測されています。

今までは年収の3倍で住宅が購入できましたが、今は5~6倍と言われておりなかなかファースト・ホーム・バイヤーには購入しにくい価格帯です。このような状況の中、NSW州の不動産売買は活発だったためStamp Duty(印紙)税の収入が、今年は72億9,000万ドルの内、75%が住居用でした。今後、この税収からファースト・ホーム・バイヤーへの恩恵としてStamp Dutyの特典が受けられるよう議論しているようですが、ぜひとも実現され、少しでも多くのファースト・ホーム・バイヤーが住宅を購入しやすい状況になれば良いと思います。

バブルと言われているのはオーストラリアではシドニーだけであり、メルボルンも若干バブル気味ですが、そのほかパースやダーウィンは住宅価格が若干下がっています。一方、ブリスベンは価格が上昇し始めました。今後、インフラ整備計画もあり、ブリスベンは投資先としては今一番注目されている都市のようです。


豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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