今月の不動産の見通し

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第42回

今月の不動産の見通し

10月に入りニュースや新聞などで、「シドニーの不動産価格がついに緩やかに下がり始めた」との報道をしばしば目にするようになりました。オークション落札率も一気に下がり、64パーセントまで下落。これは過去数年に見られなかった記録的に低い数値です。

都市別でみるとこの1年間での価格上昇率はシドニーが18.9パーセント、メルボルンが7.8パーセント、ブリスベンが2.9パーセント。一方、パースがマイナス1.2パーセントと、パースを除く各都市では大幅な価格上昇がありました。しかし今後、シドニーとメルボルンでは価格上昇がスローダウンすることが予測。2016年度の価格上昇率見込みは、都市別に見ると、シドニーは4~9パーセント前後、メルボルンは8~13パーセント前後、ブリスベンは5~8パーセント前後、パースがマイナス5パーセント前後となると予測されています。

一方、賃貸の家賃上昇率を都市別に見ると、シドニーは2.7パーセント、メルボルンは4.4パーセント、ブリスベンは1パーセント、パースはマイナス1パーセントですが、16年度は各都市とも平行線もしくは3パーセント前後の上昇が見込まれます。ただしパースはマイナス8パーセント前後になるだろうとの見方が出ています。

その1つの理由として、銀行の金利が上昇を始めたことも背景にあると予測されています。これまで不動産をオークションにかければ、ほとんどの場合、大幅な価格上昇が見込めて売却されましたが、今後はオークションよりもプライベート・セールでの売却が増える見込みです。

新築物件に関して言えば、中古物件のように実際の価値を大幅に上回って高額取引がされるようなこともなく、適正な価格で購入できることから引き続き購入需要は高いでしょう。

こうした状況を受けて、中国の金融機関が手付金ゼロでローンのあっせんを開始するとみられています。オーストラリアのディベロッパーとタイアップして銀行融資が受けられる予定で、現在、メルボルンとゴールドコーストで行われている不動産開発プロジェクトで、手付金ゼロでの売り出しが始まるようです。


豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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