豪州不動産事情/2016年6月の不動産の見通し

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第49回
今月の不動産の見通し

ウェストパック銀行は、外国人向けの新築物件の融資を止める動きを見せています。大手銀行によるこうした動きは、他の銀行にも影響を与えました。

例えば、マッコーリー銀行は、ローンの借入れ金額を最大70パーセントまでとする方針を固めました。その他の銀行でも、外国人向けの融資を厳しくしているのが現状で、今後2年間でシドニーやメルボルンで約21万世帯以上の新築物件の完成が見込まれる中、銀行融資を受けられずに決済できない物件が増えると予測されています。

メルボルンでは、2年前に新築物件として着工した多数の物件が完成を迎えていても、銀行の査定評価が厳しく、融資を受けられず、購入者が支払いできない物件が既に出始めています。

さて、マッコーリー銀行は5月下旬、全国の「リスキー・ポストコード」を発表しました。これは、不動産の供給が過剰になる恐れがあるなど、いわばリスクが高いとされる都市部のエリアを、郵便番号ごとにリスト・アップしたもので、メルボルンでは、サウスバンク(Southbank)、ドックランズ(Docklands)、ワールド・トレード・センター(WTC)エリアなどが、シドニーでは、ロックス(The Rocks)やヘイマーケット(Haymarket)、ミラーズ・ポイント(Millers Point)などのエリアがリストに入り、その数は120にも上りました。

既にメルボルンでは、不動産の供給過剰が起こり、今後は賃貸物件にも大きな影響がありそうです。シドニーでは未だこのような話は少なく、中古物件市場に関しても、以前と比べ高止まり感があるように見受けられます。

不動産の供給過剰への懸念が高まりつつあるメルボルン
不動産の供給過剰への懸念が高まりつつあるメルボルン

一方、人気の高いエリアでは、価格上昇を続けている地域もあります。今後、大型インフラの導入をはじめ、新しい病院や街整備が始まるエリアでは、物件価格が上がるものと見られています。

低金利の銀行借入はうれしいニュースですが、借入れの融資限度の規制や外国人投資の規制などが徐々に強まるとの見通しもあります。それらは今後、我々にどのような影響を与えるのでしょうか……。


豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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