豪州不動産事情/2017年9月の不動産の見通し

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第63回
今月の不動産の見通し

本格的な冬場のせいか、オーストラリアでは全体的に8月の不動産の動きが鈍くなりました。それぞれのポイントごとに見ていきましょう。

住宅売買の動き

8月19日のシドニーにおけるオークション落札率は69.4パーセントとなりました。前週の73.7パーセントからの下降率も著しく、2010年6月以降、初めて70パーセントを下回る結果となりました。

実際にオークションに掛けられた物件数も、前週の632世帯に対して579世帯と減っています。ただし、春の売却時期には、700世帯にまで上がるのではと予想されています。

こういった動きの中で、中間取引価格帯に関しては、前年の117.5万ドル、前週133万ドルに対し、116万ドルとなりました。

今年の上半期における、ニュー・サウス・ウェールズ州のファースト・ホーム・バイヤー・ローンの数は、前年から5.2パーセント減少し、4.6パーセントとなりました。これはオーストラリア全州の中で最も低い数字であり、その次に低いビクトリア州の9.2パーセントをはるかに下回っています。

このファースト・ホーム・バイヤー数の下落の要因の1つとしては、7月以降に施行される印紙税削減も挙げられており、何らかの影響を与えているのではと考えられています。今後の動向に注目していきましょう。

また、ファースト・ホーム・バイヤー上昇の恩恵を受けて、7月以降から不動産が活発化すると見込まれていましたが、物件価格が高いことからとりわけ目立った影響は見られていないようです。

メルボルン、ブリスベンにおいても同様で、オークション落札率は例年に比べると低くなっていますが、ファースト・ホーム・バイヤー数の影響は見受けられません。


賃料の動き

このように、住宅売買は今のところ停滞しているように見受けられますが、賃料は依然として緩やかながら上昇が続いています。

またシドニーにおけるオフィス市場については、需要が高いのに比べて、新規の供給数が限られ、空室となる確率が低いことや、利回りの良さ、家賃の上昇率などから、総じて、今後2年間は物件価値は上がり続けるだろうと見られています。


豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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