豪州不動産事情/今後6カ月の不動産価格の見通しについて

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第80回
今後6カ月の不動産価格の見通しについて

シドニーとメルボルンの不動産市場は、ローンの引き締めと“ネガティブ・ギアリングが廃止”になれば、更なる価格の下落が見込まれています。

メルボルンに本社を置く不動産専門広告会社「REA Group」が、運営する住宅情報サイト「realestate.com.au」の調査によると、中間価格が95万5,000ドルのシドニーは、ピーク時よりも6.7パーセントの下落となり、2019年前期の間に更に5パーセントの下落が予想されています。ただ、中には価格が安定しているエリアもあり、マンリーやパディントンでは適度な価格上昇が見られます。

メルボルンでもシドニーと同様に下落の傾向があるものの、雇用率の上昇に助けられており、メルボルン市内中心部での賃貸需要が見込まれています。また、西部エリアでは前年比1.8パーセントの上昇が見られ、バララット、ジーロン、ラトローブやギプスランドといったエリアが好調です。

オーストラリア全体で見てみると、住宅価格は18年に6.5パーセントの下落を見せ、中間価格帯は76万6,438ドルです。ただし、ホバートは8.8パーセントの上昇、アデレードは1.8パーセントの上昇となりました。今後もアデレード、ダーウィンはアフォーダブル・エリアとして成長が見込まれています。

東海岸の都市での不動産価格の下落は、これまで上昇していた住宅建設数にも影響を及ぼし、失業率の上昇や住宅ローンの返済の滞納につながっています。18年7月に建築許認可数が9.4パーセント下落し、月単位での統計では全てを計れないものの、許認可数が減少傾向にあることは明らかです。14年以降、物件供給が需要を上回っているため、ディベロッパーは建築計画を縮小し始めています。また、不動産融資のほぼ半分を占めていた投資家向けローンも厳しい制限により、利息限定ローンの利用が増えています。

賃料も若干の下落が始まりましたが、エリアによっては住宅不足が続いているので大幅な下落はないと予想されます。


スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環

NSW州、VIC州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持

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