豪州不動産事情/今月の不動産の見通し(2019年5月)

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第83回
今月の不動産の見通し(2019年5月)

4月のニュースで、シドニーとメルボルンの不動産価格が下落していると報じられていました。オーストラリア統計局である「Bureau of Statistics」によると、オーストラリア全体で2.4%の下落、シドニーは3.7%、メルボルンが2.4%、ブリスベンが1.1%、パースが1.0%、キャンベラが0.2%の下落となっているようです。アデレード(0.1%)とホバート(0.7%)は若干ですが、不動産価格の上昇が続いています。

過去の統計を見てみると、シドニーでは1980年代の不動産価格のピーク時より34%の下落となっているようです。また、メルボルンでは76年と83年のピーク時より25%の価格下落です。

不動産価格は過去の統計から、一定のサイクルの周期があるとされ、現在はボトム(底値)に向かっており、1年後にはボトムに向かうサイクルを抜けられるとの予測もあります。


The current downturn is already Sydney’s worst since the 1980s, but has only been going for six quarters versus an average of 14. (Supplied: BIS Oxford Economics, APM PriceFinder)

投資家にとってみれば、銀行金利が安く、物件価格も下落しているので、現在の価格よりも下がるかどうかの見極めが大切です。人気のあるエリアでの価格の下落はそれほど目立ってはいないようですが、銀行の貸し渋りや厳しい条件でローンを借りられる人が少ないため、資金に余裕のある投資家のみが投資を続けているようです。

今後もシドニーやメルボルンでは、多くの新築物件の完成を迎えます。2~3年前のピーク時に購入した物件価格の査定が販売価格を下回り、決済ができない物件も多々出てくるだろうと予測されています。一方、都市中心部の賃貸物件での家賃の下落はあまり見受けられていませんが、今後、供給過剰になるであろうエリアでは家賃の下落が予測されています。

不動産市場は推測しにくい状況ではありますが、下落がいつまでも続くわけではないので、ボトムに向かうサイクルを抜け出すタイミングの見極めが大事ではないでしょうか。


スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長
寺田環

NSW州、VIC州不動産業者免許(フル・ライセンス)所持

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