第1回 まだまだ不動産高騰続くの ?

豪州不動産事情

不動産のプロに聞く 豪州不動産事情

第1回

まだまだ不動産高騰続くの?

今月から、オーストラリアの不動産についてのさまざまな情報をご紹介することになりました。どうぞよろしくお願いいたします。第1回は、誰もが気になるオーストラリアの不動産市場の現状について。

2010年のオーストラリアの不動産市場は、低い失業率と供給不足に支えられ世界の中でも好調でしたが、11年には不動産売買が低迷し、価格の下落が予想されるとニュースなどで報道されています。なぜそのように言われているのでしょう。

不動産バブルに向かいつつあったオーストラリアでしたが、「ファースト・ホーム・バイヤー助成(初回住宅購入助成)制度」が10年1月に終了したことに加え、09年10月以降のオーストラリア準備銀行による合計175ベーシス・ポイントの政策金利の連続引き上げによって、加熱していた不動産市場をある程度冷ますことに成功しています。また、経済情勢としても、資源が豊富にある同国は今後もアジアとの強固な貿易関係を維持し、国内経済の堅調な成長が見込まれていることから、金利も下がらずに既に緊張状態にあります。そしてここ最近は、オーストラリア準備銀行は利率を維持していますが、11年後半にはまた漸次引き上げ政策を再開すると考えられ、不動産市場にさらに影響すると見られているためです。

ただし、実際に不動産価格下落の影響を受けているのは高額物件が多く、新築物件や50万ドル前後の物件は影響を受けていないように感じられます。人気のあるエリアでは依然マーケットは強気で、「オフ・ザ・プラン」という完成前の新築物件は、場所によっては即日完売も見受けられます。

その理由として、人口増加に伴う住宅供給が追いついていないこと、そして相変わらず賃貸住宅市場がひっ迫し、空室率約1%前後と厳しい状況が続いていることが挙げられます。

さらに投資家にとってみれば、容易にテナントを見つけることができ、安定した家賃収入を見込めますし、高額所得層ではネガティブ・ギアリングという節税対策を目的として購入する人も多いようです。海外投資家の視点から見ても、資産分散や自国での低い運用利率で資金を眠らせておくよりは、キャピタルゲインも見込んだ上で運用する人が多い現状です。

今までの非常に強気な売り手市場から、ようやく買い手にとって少しは有利な市場になってきたのではないかと思われます。


豪州不動産事情

 

スターツ・インターナショナル・オーストラリア
取締役シドニー支店長 寺田環
NSW州不動産業者免許(フルライセンス)所持

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