法律相談室/身近な「自転車」の交通ルール

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第20回 身近な「自転車」の交通ルール

私たちの日常生活には、たくさんの法律が関わっており、交通ルールもそうした法律の一部です。以下、自転車についての交通法規を見ていきましょう。

車での自転車追い越し

QLD州では、自動車が自転車を追い越す際「少なくとも1メートル以上の間隔を取らなければいけない」ことをご存知でしょうか?

車はこの間隔を取るために、対向車が来ない時、十分に安全が確認できる場合に限って、センター・ラインを越えても良いことになっています。QLD州(とその他の州)で1年半にわたって試行されていた「車の自転車追い越しルール」ですが、先日正式に道路交通法として制定された結果、違反者には300豪ドル以上の罰金が科されることになりました。

ヘルメットの着用、防犯登録

オーストラリアでは自転車乗車の際、ヘルメット着用が義務付けられています。もし運転者以外の人も乗れる仕様になっている自転車の場合、自転車に乗る人全てがヘルメット着用義務の対象になります。しかし、宗教上の理由で頭にターバンを巻いているなど、ヘルメット着用が困難な場合の例外も認められています。ちなみに日本では13歳未満に限り、ヘルメットを着用しなければなりません。

なお、日本においては自転車の持ち主は都道府県の指定団体に防犯登録をする必要がありますが、QLD州では自転車登録は不要です。

もし車との衝突事故に遭ったら……

さて、自転車と車の衝突事故が起きてしまった時のことをお話ししましょう。QLD州では、車の持ち主に車両登録義務がありますが、年次の登録更新の際、CTP(Compulsory Third Party)保険と呼ばれる強制保険料も納めます。車の事故でけが(人身傷害)を負った被害者は、この保険を通して経済的救済(賠償金)を受けられる仕組みです。被害者には、事故による治療費や所得損失だけでなく、状況に応じて、将来仕事を探す時のハンデや家族による無償サポート(家事や移動補助/送迎)もカバーした賠償金が支払われます。QLD州では、人身傷害に関する賠償金はCTP保険会社によって支払われるため、事故を起こしたドライバーが個人的に支払い義務を負うことはありません。

一方日本では、ドライバーの過失で人身事故が起きてしまった場合、ドライバー個人に賠償義務がありますので、こうした状況をカバーした任意保険に加入している人が多いと思います。日本は賠償額の算出方法についてもQLD州と異なり、日本では被害者の入院日数などに応じて賠償金額が決定されます。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として24年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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