法律相談室/ゴルフは訴訟の多いスポーツ!?

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第22回 ゴルフは訴訟の多いスポーツ!?

ゴルフ好きの読者の皆さん、「ゴルフなんてそんなに難しくない!」と思っていても、用心してください。あらゆるスポーツの中で最も訴訟につながる機会が多いのが、実はゴルフなのです。トップ・プロのローリー・マキロイ選手がナイキ社と数百万ドルのスポンサー契約を結んだことで提訴されてしまったことも含め、ゴルフに関する裁判は多岐にわたります。

昨年、ゴールドコーストでは、サンクチュアリー・コーブ・ゴルフ・クラブに住むカンガルーたちが問題になりました。少なくとも6人のゴルファーがプレー中にカンガルーに襲われ、リゾートの住人向けには「カンガルーにアタックされそうになったら、身をかがめてウーッとうなってください」との注意書きが配られたほどでした。そうした状況を受け、カンガルー100頭の処分をQLD州政府が許可するに至ったのですが、もちろんこれは大きな物議を醸しました。

また、同じく昨年のオーストラリアン・オープン(ゴルフ・トーナメント)の開催コースであったオーストラリアン・ゴルフ・クラブは、競技中に不正行為をしてクラブ会員から除外された元メンバーによって訴えられました。その不正行為とは、仲間のプレーヤーが見ていないところで自分のボールを拾い上げ、打ちやすい場所やバンカーの外に何メートルもボールを動かしてしまう、というものでした。これに対し今年3月、ゴルフ・クラブの理事会は懲罰委員会を開き、意図的にルール違反をおかした元メンバーの不正行為は“あるまじき行為”との判断を下しました。

その元メンバーは、クラブ会員から除名された結果、入会金2万ドルと年会費7,000ドルを失ったことに。NSW州高等裁判所のサッカー判事は「意図的なルール違反が不適切な行為とみなされることは、道理にかなっているように私は感じます」と言って、ゴルフ・クラブの判断に裁判所が干渉する正当な法的理由はないとの考えを示しました。


ちなみに、1744年に規定された最初の世界統一ゴルフ・ルールはたった13しかありませんでした。しかし今日では34までに増え、またそれらに付随したたくさんの付属規則(罰則規定を含む)と共に現在のゴルフ・ルールが構成されています。

ゴルフというスポーツにはこのように細かい規則があります。しかし結局のところ、競技者が打った/放ったゴルフ・ボールは万有引力の法則に従ってのみ動きますので、重力の法則はゴルフ・ルールに優先する、とも言えるかもしれませんね。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として24年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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