法律相談室/弁護士への相談③ ~契約書にサインする際の注意点~

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第33回 弁護士への相談③ ~契約書にサインする際の注意点~

ことわざの「転ばぬ先の杖」を英語では“Look before you leap”と言い、これを直訳すると「飛ぶ前に見よ」ということになります。それを使い“Watch before you(legally)leap”、つまり「法的な何かに飛びつく前には気をつけて!」と言わせてください。古くからあるこうした言葉は、本当に正しいと思います。弁護士に相談するまで、契約書へのサインは慎重に待つべきです。たとえあなたが、単純明快な契約書だと思っていても、サインの前には必ず弁護士に契約内容を確認してもらいましょう。

私はこれまでに何度も契約書へのサイン後に、契約内容に関する問題を発見して困っているクライアントから連絡を受けたことがあります。なぜ、こうしたことが起きてしまうのか?それは、基本的な知識不足が原因かもしれません。

契約内容のトラブル①

例えば、店舗の賃貸契約に1カ月の無料期間、金額でいうと1万ドル相当が付いてきたとします。もちろん場所や広さによって金額は異なります。店舗家賃1カ月分(1万ドル)が無料だなんて、こうした契約が初めての人にとっては、かなりお得で魅力的な契約に見えますよね。

しかし弁護士にこの契約書を見せたところ、現状ブリスベンやゴールドコーストでは、少なくとも6カ月分(6万ドル)の家賃を無料とする店舗賃貸契約が一般的だということが分かりました。1カ月と6カ月では、金額が全く違いますよね。弁護士によるアドバイスを得るには費用も発生しますが(税込み1,650ドルなど)、上記の例で言えば1万ドルを節約出来るか、6万ドルを節約出来るかという話になりますから、契約前に弁護士に相談すべきであることは一目瞭然だと思います。

契約内容のトラブル②

似たような例をもう1つ挙げましょう。あなた自身や家族に関わる正式書類について、注意してください。

最近オーストラリアの大手銀行の1つで、何人ものファイナンシャル・アドバイザーが顧客に会ったことすらないのに、習慣的に顧客への開示書類にサインしていた事実が発覚しました。そのアドバイザーたちは、顧客の職場や自宅まで足を運ぶのが面倒だったようで、自分たちでサインしていたのだそうです。

この話の教訓は、自分に関わること、特に自分や家族の金銭面に関わる契約は、慎重にそして定期的に見直し、更にその契約書のコピーをもらっておくべきだということです。あなたにはその権利があります。もし、契約先にコピーの提供を渋られたり異常に時間がかかる場合、「なぜ」「どうして」とはっきりと聞いてみるべきです。


ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として24年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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