法律相談室/スポーツやレクリエーション中のけがに関する賠償請求

知ってると知らないでは大違い!
日豪プレス 法律相談室

第53回 スポーツやレクリエーション中のけがに関する賠償請求

読者の皆さんの多くが、メルボルンで行われた全豪オープンでの大坂なおみ選手の活躍に胸を躍らせたことでしょう。激しいスポーツやレクリエーションは数多くありますが、プレー中にけがをしてしまった場合の賠償請求について考えたことはありますか?

Photo: Nino Lo Giudice
Photo: Nino Lo Giudice

QLD州法に従って賠償請求を行う人は、相手(人や組織)の過失が原因で(部分的にでも可)傷害を負ったことを証明しなければなりません。例えば自動車事故の場合、事故原因(どちらが悪いか)が比較的はっきりしやすく、またQLD州の全登録車両は人身傷害を補償するCTP保険に強制加入しているので、相手ドライバーが原因の衝突事故で負傷した人には、CTP保険会社から賠償金が支払われます。

一方、スポーツやレクリエーション中の負傷は「そうしたアクティビティーへの参加自体が危険なのではないか?」などのさまざまな理由から、まずは賠償請求できるかどうかが争点になります。例えば、明らかに身体的ダメージを受けやすいアクティビティー参加中にけがをしてしまった場合、賠償請求が認められないという結論に至ることがあるでしょう。過去、裁判所が「危険」と判断しているアクティビティーの例を以下に挙げます。

  • 水深が分からない海や川への飛び込み
  • 夜間のカンガルー狩り
  • スケート・パークでのBMXライディング
  • 軽飛行機の操縦練習
  • 水辺の木に吊るしたロープから、水に向かって宙返りしながら飛び込み
  • ブル・ライディング

一方、裁判所が「危険ではない」と判断しているアクティビティーの例は以下の通りです。

  • スケート・リンクでのスケート
  • クアッド・バイクの運転
  • 公道でのサイクリング
  • オズタグ/タッチ・フットボール・ゲームへの参加

また、以下の場合には賠償責任を問われる可能性があります。

  • 過失
  • 故意的無謀行為
  • 不測の攻撃、乱暴
  • 危険な施設や設備
  • 不十分な監督、監視

ミッチェル・クラーク
MBA法律事務所共同経営者。QUT法学部1989年卒。豪州弁護士として25年以上の経験を持つ。QLD州法律協会認定の賠償請求関連法スペシャリスト。

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