むち打ち症の治療費などは自分で支払わなければいけないのですか?

日豪プレス法律相談室

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第4回

 交通事故に遭ってしまった、職場でケガをしてしまった、ビザの手続きはどうしたらいい?など、日常生活では何かと問題も起こるもの。この相談室では、よくある法律相談について、QLD州で活躍する日本人弁護士・専門家が解説します。

 

Q 先日、後ろの車に追突されました。車の修理に関しては、その運転手が負担してくれることになりましたが、むち打ち症の治療費などは自分で支払わなければいけないのですか?

 

A 後ろの車に追突されてケガをしてしまった場合、その車が加入している自賠責保険会社に対して、むち打ち症の治療費などに加え、事故による所得の減少分なども請求することができます。豪州ではすべての車輌に自賠責保険の加入が義務付けられています。

 

①むち打ち症とは ?

 むち打ち症は交通事故などによる首部やその周辺の打ち身・捻挫・骨折・頭部外傷などの通称名です。むち打ち症では、事故に遭ったその日にはほとんど症状が出ず、翌日以降からさまざまな症状が現れることが多いようです。

 場合によっては数カ月後に症状が出てくることもあり、首筋、背中、肩のこりや痛み、耳鳴り、頭痛、めまい、吐き気、食欲不振などの症状があります。軽傷でも完全に治癒することは難しく、長期にわたる治療が必要とされます。

 

②後ろの車に追突されてしまった場合はどうしたら?

 事故に遭ったその日にはほとんどむち打ち症の自覚がなくても、後ろの車に追突された場合は、速やかに警察に連絡し、事故証明書を作成してもらっておくといいでしょう。

 この証明書は保険会社に対して賠償請求を開始する際に必要となります。ただし事故当日に届け出をしなかった場合でも、後日に弁護士がこの証明書を手配することも可能です。

 むち打ち症の症状が出たら、医師の診察を受けてください。その際に医師による医療証明書(Medical Certificate)を記入してもらっておくと、その後の手続きが迅速に進みます。また、人身事故の際はできるだけ早く賠償請求に関して専門家に相談し、然るべき手続きを取ることをお勧めします。

 

③保険会社に対しては何を請求できるか?

 自賠責保険会社に対して、賠償請求手続きを開始すると以下の医療費などを請求することができます。

・医師に対して支払った医療費
・医師により処方された医薬品の費用
・理学療法(Physiotherapy)、マッサージ、カイロプラクティックなどのリハビリテーションに要した費用
・レントゲンや血液検査に要した費用
・上記の治療などを受けるために要した交通費

また、このほかにも事故直前の給与をベースとして、現在および将来の事故による所得の減少分も請求できます。


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柿崎秀一郎
リトルズ法律事 務所弁護士
日豪プレス法律相談室
岩崎知美
リトルズ法律事務所弁護士・移民申請代理人

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