免停中に運転できるライセンス!?

日豪プレス法律相談室

 

第35回

免停中でも運転できるワーク・ライセンス

 

 国土の広いオーストラリアでは、運転ができないと日常生活に大きな支障が出ることもありますよね。万が一飲酒運転などで免許停止になった際に“ワーク・ライセンス(Work Licence)”というシステムがあることをご存知でしょうか。ワーク・ライセンスとは、限られた交通違反(主に飲酒運転)で免停になってしまった時に、通勤や勤務中の運転のみを許可される制限された免許です。ここでは飲酒運転を犯してしまった際の申請方法についてご紹介していきます。
 以下の4条件、すべてに当てはまればワーク・ライセンスの申請が可能です。

1. QLD州の本免許(Open Licence)保持者
2. 血中アルコール濃度が0.15%未満
3. 過去5年以内の免停や取り消しがない
4. 勤務中の運転ではない

 

申請の方法
(1)飲酒運転を犯すと、警察からの通知書(Notice to Appear)に示された日に出廷する必要があります。その場で検察官(Police Prosecutor)にワーク・ライセンスを申請したい旨を伝えると、数週間後の出廷日(審問期日)を指定されます。

(2)次の出廷日の前に、以下の書類を準備します。

・ 申請書:裁判所、または道路交通局(Department of Transport and Mains Road)から手配します。
・ 宣誓供述書(Affidavit):「過去に重大な交通違反がなく、日ごろ安全運転を心がけていた」「運転ができないと仕事に支障が出る」「仕事ができないと自身や家族が養えない」という経済的な困難が生じるなど、ライセンスの必要性を記述します。
・ 雇用者の宣誓供述書:運転ができないと仕事に差し障りがあることの証言。証人として雇用者の出廷を要請される場合もまれにあります。

(3)次の出廷日には、上記の宣誓供述書の内容とともに証言を求められることもあります。

 

 ワーク・ライセンスの使用には、日にちや時間などの制限があり、ログ・ブックに記録の記入を義務付けられることもあります。便利なシステムではありますが、これを取得することにより、通常は免停期間が2倍に伸びることになりますのでご注意ください。
 上記は情報提供を目的とし、法的アドバイスではありません。


チャリース紅実
豪州弁護士。クイーンズランド大学法学部・経済学部卒。リトルズ法律事務所で民事訴訟を中心に法務を行っている。

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