配当成長株に注目!

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第36回 配当成長株に注目!


文=諸星きぼう

株式に投資するとき、あなたは何に注目して投資していますか?

グロース株式かバリュー株か、ROE重視、低PER、低PBR、配当利回り、チャートなどなど色々な考え方があります。また、これらの組み合わせでスクリーニングしていく方法もあります。

投資とは長期で行うものですから、バフェット流の「配当成長株投資」がいいと私は思っています。日本の証券会社のウェブなどでは「配当利回り」は見ることはできますが、配当成長率を見ることができるところは少ないのではないでしょうか。少なくとも私が参照している日本の証券会社のウェブでは見ることはできません。最低過去20年くらいの配当金額が個別銘柄ごとに見ることができれば、エクセルなどで自分で計算できるのですが。

なぜ、配当成長株がいいのかを考えてみましょう。高配当利回り株への投資というものは、日本でもこれまで多くの人が見ていました。預金などの固定利回りと比較して、有利・不利が分かりやすいからです。しかし、高配当利回り株というだけでは、長期の大きなリターンは期待できません。成長企業は利益を次の設備投資や事業につぎ込んでいき、さらなる成長を目指しますので、配当は低くなります。その代わり、追加投資資金がさらに利益を生み出せば、キャピタルゲインという形で株主に報いることになります。こうした成長企業株式はグロース株に分類され、高配当株ではありません。

日本の高配当株式は、成熟企業に多く見られ、もはや成長は見込めないので新規投資をすることはなく、安定的に生み出すキャッシュフローを株主に安定的に還元する企業株です。こうした株式はマーケット全体の上げ下げでの上下動はありますが、基本的に成長が止まっているので多くのキャピタルゲインが望めません。一種の債券投資に近くなっています。

一方、配当成長株式とは、文字通り配当金額が年々増え続けていく株式です。配当金額が増えるということは、株主配当性向が一定であれば、利益成長しているということですから株価も上昇し、高配当のみならず、キャピタルゲインも得られるのです。バフェットの投資銘柄を観察すると、配当成長に加え、株主配当性向も上昇している銘柄が多くあります。

こうした観点から、オーストラリア株式を見てみます。

オーストラリア株式の配当利回りは定期預金金利より高く、数年前から注目していました。以前と比べると下がってしまいましたが、金融株は軒並み5%前後の利回りがあります。

そして配当成長率は、10年だとBHPの14.2%を筆頭にWOW12.8%、WPL11.90%、RIO10.2%と軒並み資源株式の配当成長率が群を抜いています。これまでの資源価格高騰によって潤ってきたことと相対的に配当利回りが低かったことが影響しています。したがって、最近の資源価格下落により5年ですと、配当成長率が鈍化しており直近ではあまり成長していないとも言えます。さらにForecastで見ますと、BHPに至ってはマイナスになっています。

一方、銀行株は5.5%〜9.5%と、比較的安定的な配当成長を見せています。Forecastで見ても、6%程度と安定的な成長が見込まれています。それだけ利益成長も安定的だという見通しということです。

ここで投資家がどれだけ潤ったかということを確認するには、総投資家利回りを見ます(表では、T.S.R. Totak Shareholders Return)。10年間の年平均ですと、2銘柄を除いて11.3%を超えており、これらに投資していれば10年で3倍以上となっていたわけです!!特に銀行株は5年間ですと、年率20〜10%のリターンを叩き出していました。3年でも20%です。10年で最もリターンが高かったCBA(Commonwealth Bank)は10年リターンが年率16.5%、5年リターンでは29.1%というハイリターンを叩き出しています。

いかがですか?株価指数や株価だけでは見えない高リターンが、オーストラリア株式で実現できていたのです!しかし、これはあくまで過去のデータであり、豪州経済はこの10数年一度も景気後退に陥らず、成長を続けてきたことにあります。

今後は、中国経済の急激な落ち込みや資源価格の動向に注意して投資していかなければならないことは言うに及ばないでしょう。

【用語説明】
T.S.R:Total Share Holders Return、投資家総利回り(年平均)
DY:Divident Yeild、配当利回り
Tax adj.:Tax adjusted、税調整後配当利回り
Divident Growth:配当成長率

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著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

 

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