会社型人間の生き残る道

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第38回 会社型人間の生き残る道


文=諸星きぼう


ウォール・ストリート・ジャーナル記事より筆者作成

デフレデフレといっていても、日本の公共機関、特に交通の費用は異様に高いとアジア・パシフィックに住んでいると特に感じます。右のグラフを見て分かるように、航空運賃は国際的に見てもとても高いです。

日本では国内航空運賃に合わせて、JR新幹線も非常に高いです。新幹線で東京—名古屋間は往復約2万円ですが、この距離がマレーシアでは2千円くらいです。こうした高い運賃のせいで日本のビジネスは相当阻害されているのに、なかなか改まることはありません。格安航空会社(LCC)も進出していますが、なかなか大手の牙城(がじょう)を崩せないでいます。

これらの交通運賃に代表されるような日本の高コスト体質の根本的な原因は、日本人の「会社主義」にあると考えられます。日本経済の支配層たる、大手上場企業社員や官僚などは、会社の利益がその構成員の利益につながるために会社至上主義になっており、会社の外である「国」という概念が希薄なのです。彼らは「会社」に安住し、変化を忌避するため、変革は起きないのです。

一方、7割を占める弱小自営業者は、支配者たちがふんだんに金を使い、自分たちに優位な経済運営をするのに対し、声なき声も発せず従属を余儀なくされているのです。もしくは、大手の系列や下請けといった地位に甘んじ、従属を余儀なくされているのです。

しかし、90年代頃から「新人類」と呼ばれる層が生まれてきました。彼らは会社に従属するのではなく、「脱会社型人間」として、市場との取引を重視する層です。彼らはその能力、知識、労働を市場に売却することで対価を得ます。2000年代にはIT関連の起業家が増え、今ではさまざまな業種の起業家が生まれてきています。ITと融合し、海外で飲食店を営む起業家もその1つです。

残念ながら、そうした潮流はいまだ本流となれず、日本社会は国家なき、会社型人間に牛耳られている状況は変わりません。それゆえ、先ほど挙げた航空運賃や新幹線運賃が国際的競争力を削ぐにもかかわらず(つまり国全体の損失に繋がっているにもかかわらず)、会社の利己的利益を守るために改革を拒んでいるのです。

戦後、バブル崩壊までは、この会社主義に則った「日本型資本主義運営」が見事にワークし、世界第2位のGDP国まで日本を上り詰めさせました。しかし、失われた20数年と言われる、この長い経済低迷を見れば、その日本型資本主義運営が綻びており、もはやこのままでは日本経済が衰退していくことは火を見るより明らかでしょう。

会社型人間たちも、そのことには気付いているはずです。給与水準は下がり、終身雇用も保証されるかわからない、年金受給に対する不安もある。1人官僚だけが、公務員という優越的な地位と権力を利用し抵抗勢力となっているのです。

寄らば大樹の陰的な存在である大企業群が、ここ20年の危機で倒産したり、衰退してきていることを見ていると、もはや「日本型資本主義運営」の根幹をなす、終身雇用や年功序列、そして潤沢な企業年金を期待することができなくなっています。

こうした中、私たち1人ひとりが意識の上でも行動の上でも、意識変革をする必要があります。

まず意識変革ということでは、「ムラ」である会社至上主義をやめ、国家という大きな枠組みで考えるようになることです。国家あっての日本人であること、つまり日本という国家があって初めて、私たちは安全に、自由にビジネスができているということを認識すべきだということです。そして行動面では、自分の能力を含めた資産を市場の評価に耐えうるものに変えていくことです。良し悪しは別にしても、資本主義社会というものは、市場万能主義に基づいており、市場の評価が付かないものは無価値とされるのです。

財産面について述べますと、ムラ社会から供給されていた老後の安心はなくなるのですから、自助努力による資産運用によってライフ・プランを形成していくことが不可欠です。資産運用の知識習得に努めることは、グローバルな経済環境、マーケット環境などを識(し)ることであり、市場を理解することでもあります。

こうした観点での投資学習は見渡す限り、なかなかありません。そこで私は、インベストメント・サロン投資学校を開講し、資産運用に関する体系的な知識を学ぶ場を創りました。この度、海外での受講も可能にするためにDVD受講という制度も設けました。

ご興味のある人は、ぜひお問い合わせください。

■投資について聞いてみよう!
「投資といっても何から始めていいか分からない」「不況の時でもお金を増やす方法ってあるの?」「オーストラリアならではの賢い投資法は?」など、投資に関する素朴な疑問から具体的なテクニックまで、諸星きぼう氏に聞いてみたい質問を募集いたします。以下のアドレスまでご応募ください。応募Email: nichigopress@gmail.com 件名:諸星氏への質問

著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る