第6回 今年は、行動に移そう

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第6回 今年は、行動に移そう

文=諸星きぼう

新年明けまして、おめでとうございます。

さて、昨年連載を始め、6回目になる今回は、これまでの5回の連載を振り返ってみたいと思います。

第1回では、「資産運用の目的を明確にする」ということを書きました。資産運用の目的は、あなたのライフ・デザインや夢をかなえるためにあるものでしたね。

第2回では、「資産運用がうまくいく人の考え方を身に着ける」ことを書きました。そして、「投資に必要な能力が何か」を知ることについて述べました。その3つの能力をバランスよく伸ばすことが重要でしたね。

第3回では、投資家として最も大事なこととして、「生き残ること」を申し上げました。生き残るためには、「危険を察知したら、逃げる」ということでしたね。さらに、リスクは怖がるものではなく、リターンの源泉であり、適正なリスクを取ることにより、適正なリターンが得られるということを理解していただきました。

第4回では、投資をスタートする前に、自分の現在地を把握することが大事であることを書きました。この現在地を5W1Hで整理することをお勧めしました。

そして前回第5回では、投資家として進化する必要があり、その進化の方向について書きました。

これまでの連載で「なるほどね」と思ってくださった方も多いと思いますが、実際に行動に移せましたか? 例えば、あなたの資産運用の目的について、じっくりと考え、紙に落としましたか? 資産運用の能力開発を具体的にどのように進めるかという計画を立てましたか? ご自身の現在の5W1Hを紙に書いて整理しましたか?

そういう方は、ほとんどいらっしゃらないのではないかと思います。

漫然と資産運用に関するコンテンツを読んでも、実行しなければ身に着きません。ぜひ、行動に移していただけたらと思います。

インベストメント・サロン投資学校

ほとんどの方が行動に移すことができない訳は、真に、その必要性を感じることができないことにあると思います。

しかし、将来、あの時ああしておけばよかったと後悔することになるのですが、後悔先に立たず、です。

どうしてそういうことになるかと申しますと、情報カスケードと言って、未来の自分の感情を予想することができないからなのです。将来こうなったら、自分はどんな感情を持つのかということを想像する訓練も大事ですね。

なかなか行動できない人が多いということで、私は、これまでお伝えしてきた知識を体系化したプログラムを作り、それをまとめてレクチャーする学校を開催しました。

そこでは、ただ単に知識を学ぶだけでなく、実際にワークしていただき、行動に移せるようになることに主眼を置いています。

ここで、そのカリキュラムの概略をお見せしましょう。これを読むことによって、どんなことを学び、行動していかなければならないのかの一端が分かると思うからです。

第1回:資産運用を始めるにあたって
・2020年に向けて-投資タイミングの重要性
・資産運用の目的
・資産運用で成功する法則と投資に必要な能力
・目標設定
・投資とトレード
・5W1Hで整理する

 

第2回:投資家として進化する
・リスクとリターン
・私たちを取り巻くリスク
・投資家として進化する
・投資ポートフォリオ造成について①

 

第3回:グローバル・マネー・フロー
・グローバル・マネー・フローを理解する
・海外投資の基本
・ヘッジファンド手法
・為替変動要因を過去の事例で検証する

第4回:チャート分析
・チャートの見方
・チャートから相場予測を行う

 

第5回:シナリオ作成と投資方針
・相場予測とシナリオ作成
・シナリオに基づいた投資方針の作成

 

第6回:投資プロセス
・投資プロセス
・投資ポートフォリオ造成について②
・ポジション・マネジメント

 

第7回:デリバティブを使いこなす
・金利を理解する
・先物・オプションについて
・FX取引の正しい使い方

ご覧のように、この日豪プレスの連載で、いかに資産運用にとって重要なことを掲載してきたかが分かると思います。

今年も、重要なことを書いていきますので、ぜひお読みいただき、実践していただけましたら幸いです。近い将来、この豪州の地で、投資学校を開催できることを私の目標としたいと思います。

今月の 得ネタ

安全資産は、もはやなくなった!?

資産運用におけるポートフォリオには、一定の安全資産を組み入れるのが普通ですね。利益率が多少低くても、安定的、かつあまり値下がりしない資産を組み入れることによって、ポートフォリオ全体のパフォーマンスのボラティリティー(変動率)が下がるからです。

通常、この安全資産としては、自国の国債を組み込みます。資産3分割法でも、株式、債券、不動産の内の債券に、国債を組み入れるのが普通です。

ところがリーマン・ショック時、金融危機が起き、各国は自国金融機関に対して資本注入を行い、さらには、FRB(米国連邦準備制度理事会)が代表的ですが、モーゲージ債などを購入し、通常は民間が負担すべきリスクを中央銀行が負ってしまいました。

これにより、今度はソブリン・リスクが顕在化してきており、現在、特に欧州の債務危機問題が世界経済、マーケットを揺り動かしています。

欧州の国債の金利は、イタリアといった中核国ですら、新興国の金利を上回るような金利にまで上昇してしまいました。このようなハイリスクな債券をもはや安全資産として組み込むことはできません。

一方、米国、日本、ドイツといった資金流入国では、デフレにより国債金利が急低下しています。資産運用としての利回りが低くなり過ぎていると同時に、ソブリン・リスクも低いとはいえず、安全資産としては適さなくなってきています。

前回、オーストラリアにお住まいの皆様には、長期の預金をお勧めしました(もっと早かった方が良かったのですが、まだ間に合います)。幸い豪州金利は、インフレ率がほどよく抑えられており、かつ比較的高金利です。しかし、RBA(オーストラリア準備銀行)が2回続けて利下げしたように、今後の世界経済の悪化により、豪州経済も悪影響を受け、さらなる利下げの可能性があります。

さらには、ドイツ、フランスといった現在最高級格付AAA(トリプル・エー)の欧州の国々の格下げの可能性が高まり、カナダと並んで格付AAAが維持されるであろうオーストラリアに、資金が流入してくる可能性があります。そうなると、豪州国債が買われ、長期金利が下がることになります。

景気悪化局面では、長期の債券を買うのが鉄則ですが、まだ金利が高いうちの国債購入は検討課題と言えそうです。


著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

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