2015年相場展望

夢をかなえる豊かな明日への投資術

第42回 2015年相場展望


文=諸星きぼう

2015年のテーマは、引き続き米国の利上げ開始とその速度、ECBの量的緩和、国債買い入れ開始、そして日本の景気浮上があるか、というところです。これに加えて、15年後半から急落した原油価格とそれに影響されている資源価格の動向からも目が離せません。

米国経済は14年、第3四半期にGDPが年率5%という高い成長を示したように、世界経済の中で一人勝ちの状況でしたが、15年もこの傾向が続くことが予想されます。原油安により、GDPの7割も占める個人消費が盛り上がりを続けると見られ、これが米国の成長を牽引すると思われます。死角があるとしたら、ドル高による輸出への圧迫でしょう。しかし、ドル高や原油安のインフレ抑制効果により、FRBの利上げが後ろ倒しになる可能性もあり、株高は続き、資産効果も相まって景気拡大が続くものと考えます。

欧州経済は低迷が続くと思われます。デフレ傾向は継続し、ECBは15年早々、少なくても3月までには国債買い入れを行う量的緩和に踏み切るでしょう。しかし、金融政策で欧州経済が浮揚するとは考えられません。財政規律を保ち、債務残高を減らさなければならない中、財政支出を増やせず、自立的な経済の回復を待つしかない状況です。ユーロ安による輸出振興がカギとなるでしょう。

中国については、漸進的な成長率下落が続き、15年は7%程度の成長ということになるでしょう。ただ、この成長率は信憑性がなく、象徴的な数字だと思っております。実態はもっとひどい状態が何年も続いていると考えられます。ただ、14年終わりごろから急上昇した上海総合株価指数により資産効果が働き、再び不動産へ投機資金が流れるようだと、成長率は上方修正もあるかもしれませんが、経済の歪みを拡大するだけで、これからやってくるであろうバブル崩壊の傷が大きくなるだけです。

日本経済は、厳しい状況が続くでしょう。14年の消費増税の影響は、14年第2四半期だけでなく、第3四半期にまで及び、2期連続マイナス成長となりリセッションに陥りました。こうした状況下において日本銀行が追加金融緩和に踏み切り、円安、株高を演出しましたが、実体経済にはあまり効果がなく、低成長が続くでしょう。

14年第4四半期若しくは、15年第1四半期にはその反動で高成長するかもしれませんが、その後はジリ貧になっていくでしょう。賃金上昇もまだあまり期待できず、デフレ・マインドも払拭できない中、個人消費の伸びも限定的となると考えられます。車社会ではないので原油安によるガソリン価格低下の効果も個人には限定的でしょう。しかし、原油安によるコスト削減効果により、大企業の業績は良好となるものの、円安により内需・中小企業は厳しい状況が続き、二極化現象となるでしょう。

こうした中、オーストラリア経済はどうなるでしょうか。原油安はさらに続く可能性が高く、それに付随して資源価格、特に鉄鉱石価格は中国の景気減速が続く中、低迷するでしょう。14年の豪州経済は、内需が相変わらず弱い中、資源価格下落にもかかわらず、昨年10月時点でのIMF予想では、13年の2.3%成長に対して2.8%成長と加速しています。さらに、15年IMF予想では2.9%成長と微妙に成長加速が予想されています。しかし、豪州経済は15年減速すると思われます。IMFの予想では原油価格60ドル割れは織り込まれていないと思われ、資源価格のさらなる悪化をあまり想定していないと思われるからです。13年8月に2.5%に引き下げたまま据え置いてきましたが、15年には利下げが予想されます。RBAもさらなる豪ドルの下げを期待しています。

豪ドルは14年1月に安値0.8659ドルをつけた後反発し、9月まで0.95ドルを下回る程度の高値圏で推移していましたが、RBA総裁の度重なる口先介入や資源価格の下落により0.86ドル近辺まで再下落しました。その後、原油価格の1バレル60ドルを下回る急落により更に下落し、年末には0.81ドルを割り込みました。

15年の豪ドル安基調に変化はないと考えます。

・豪ドル円の予想相場レンジ:80.00〜100.00円
・豪ドルドルの予想相場レンジ:0.7000〜0.9000ドル

そのほかの主要マーケットの15年予想レンジです。

・日経平均株価:15,500〜20,000円
・NYダウ:16,500〜20,000ドル
・ドル円:110.00〜130.00円 (135.00円)
・ユーロ円:130.00〜150.00円
・ユーロドル:1.0000〜1.2500ドル

ドル円は日銀の量的金融緩和第3弾があれば、02年1月末の高値135.20円を目指す可能性があります。ユーロ円は14年金融緩和度の違いから円安に傾きましたが、15年はECBの量的緩和により円高となるでしょう。豪ドルについては、原油価格に注意です。原油価格は40ドル程度まで下げると予想していますが、そこを抜けて20ドル近くまで下落するようなことがあり利下げも加わると、1豪ドル60セントを割り込む場面も想定しておいた方が良いかもしれませんね。

さて、2015年は、「覇権国10年サイクル」における飛躍の年になります。経済状況は米国の1人勝ちの中、世界的には成長加速の年とはなりづらいと思われますが、リスク・オフ的な調整局面の後、16〜17年に迎えるピークに向けた、急上昇が始まると考えられます。マーケットはボラタイルになるかもしれませんが、これからの3年間の世界経済については強気で臨むスタンスで良いと思います。

著者プロフィル もろぼしきぼう

投資教育家。(社)証券アナリスト協会検定会員。1988年東京大学経済学部卒。メガバンク、外資系銀行時代は東京、ロンドンでデリバティブ・トレーディングを実践。独立後、日本人の金融リテラシー向上のため投資家教育を行っている。現在、賢明な投資家の集まりであるインベストメント・サロン(http://www.ideal-japan.com/)を運営、投資アドバイスを行っている。著書に『お金は週末に殖やしなさい』(2010/10)、『大恐慌でもあなたの資産を3倍にする投資術』2009/3)。オフィシャル・サイト: www.ideal-japan.com ブログ「自由人ダンとオーストラリア」: ameblo.jp/daichi-megumi ブログ「諸星きぼうの豊かに生きるための思考法」: daichi-megumi.blogspot.com Facebook: www.facebook.com/#!/kibo.moroboshi

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