成功するための非認知能力

FPキョウコの
暮らしに役立つパーソナル・ファイナンス講座
オーストラリア生活に役立つお金の知識をファイナンシャル・プランナー(FP)吉住京子氏が解説。

第20回:成功するための非認知能力

親が4つの基本的しつけ(①嘘をついてはいけない、②他人に親切にする、③ルールを守る、④勉強をする)を教えたかどうかで、子どもが大人になってからの年収に86万円の差が生じるという結果が神戸大学の研究で明らかになっています。

ノーベル経済学賞受賞者のジェームズ・ヘックマンも「非認知能力」が人生を左右するカギと言っています。教育への投資と人生の成功には強いつながりがあるようです。自分の人生、そして親の皆さんは子どもの将来をどう成功に向かわせることができるか、考えてみましょう。

さて、親としては子どものIQや学校の成績は気になると思います。しかし、時代も変化しているようです。ある小さな輸入会社では、初めから学歴は求めてはいませんでしたが、「語学が堪能な人」を最優先に採用していました。しかし最近はそれもやめて、中学、高校を通して1つのスポーツに打ち込んできたようなタイプを歓迎するようになったそうです。非認知能力が高いと仕事の基本はすぐ覚えるし、最初はカタコトの英語でもやっているうちに必要最低限はしゃべれるようになるからだそうです。

IQが示すようなテストを解く能力は、人生の諸問題を解決する能力と同じではありません。人生で実際に直面する試練は別の能力が求められます。遠いゴールに向かって、興味を失わず、努力し続けるという「やり抜く力」が必要になります。

その他に、非認知能力には意欲、忍耐力、自制心、自分の状況を把握する「メタ認知ストラテジー」リーダーシップや社会性、すぐに立ち直ったり対応できる「回復力と対応能力」創造性、好奇心などもあります。

「頭が良いのね」と、元から持つ能力を褒めるのではなく、「よく頑張ったね」と努力の内容を褒めるようにすると、子どもは努力を認められたことを喜び、より難しい問題に粘り強く挑戦するようです。計画的に宿題を終えたり、積極的に質問したり、良好な関係を大切にするなどの能力は、社会に出てからも年収、成功、健康や幸福感など多岐にわたる効果を発揮します。

非認知能力を養うことは、幸せにつながるカギなのですね。大人になってからでも遅くはありません。1日30分でもいいからランニングを継続するなど、非認知能力を鍛える方法はあります。「根性を鍛えろ」というのではなく、これまで避けてきたことを仕組み化して習慣にすることに意味があります。こうした経験の積み重ねによってIQとは違う能力が鍛えることができるのです。


吉住京子
在豪日本人ファイナンシャル・プランナー。難しいお金のことを易しく解説。クライアントそれぞれの状況に合わせた賢い戦略の提供に定評がある。在豪日系コミュニティーのためのチャリティー活動や各メディアでの連載記事・セミナーなども行っている。

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