【日本の不動産】国際化する日本の不動産市場

そこが知りたい!日本の不動産

第7回 国際化する日本の不動産市場

ここ数年、日本では中国人をはじめとする外国人観光客の急増が目立ちますが、不動産売買の現場でも東京都内を中心に外国人バイヤーが確かに増えた感があります。その背景には、日本円が安くなり、人民元や香港ドルなどで生活している人々にとって日本不動産の割安感が出てきたことと、中国、台湾、香港などの不動産が高騰し、バブル崩壊の懸念から資産を国外に分散するニーズが増えたことなどがあります。

日本不動産のバイヤーとして、最も先を行っているのが台湾人でしょう。元より日本に強い親近感を持ち、日本への観光旅行、留学、移住などを好むお国柄。加えて円安と台北の不動産価格高騰により「東京でマンションを買った方が安い」ことを知った台湾人の間で、2012年末のアベノミクス登場以降、ずっと日本不動産ブームが続いています。台湾でセミナーを開き日本の不動産を売る業者も増えています。

東京の浜松町で「999万台湾元」(約3,700万円)で売り出された1LDKマンションが、値ごろ感から、台湾人に飛ぶように売れたケースもあります。台北の都心部ではマンションは到底この値段では買えません。

最近では香港人バイヤーの動きも目立ちます。不動産価格が世界一高いといわれる香港に暮らす人々にとって、東京のマンションの価格は「香港のマンションの頭金程度」。安いから試しに買ってみようという人も増えています。

中国大陸の人も、富裕層を中心に日本の不動産を買うようになりました。ただし彼らの場合、純粋な不動産購入者よりは「日本に自由に行けるビザがほしい」人が多く、「日本不動産販売」と「日本のビザ申請」をセットにした商売も登場しています。

なお、日本ではオーストラリアに比べて非居住者に対する銀行融資が発達しておらず、日本で不動産を買う外国人の多くは現金買いか、あるいは自国の銀行(例:中国銀行の東京支店)から最大50パーセント程度の不動産担保融資を引いて買うケースが多いようです。最近では、台湾の銀行が続々と東京に支店を出し、台湾人顧客向けの融資商品を開発していますから、今後は選択肢が増えるかもしれません。

今年に入ってから、東京都内では不動産価格の高騰から利回りが低下していることもあって、大阪、京都、福岡、名古屋、札幌、横浜など各主要都市に物件を求める外国人も増えてきました。つい最近まで自国民しかいなかった日本の不動産市場も、徐々に様変わりしつつあると言えるでしょう。


鈴木学◎グローバルに展開する不動産投資家。日豪を中心に世界7カ国で不動産に投資。投資案件開拓やセミナー講演で毎月のように世界各国へ出張。2000~05年シドニーに在住。現在は豪州国藉の妻、2人の子どもと東京在住 
Web: asia-pacific.tv

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