【日本の不動産】震災と不動産価値の関係

そこが知りたい!日本の不動産

第15回 震災と不動産価値の関係

4月中旬、熊本県を中心に九州中部に大きな爪痕を残した地震は、まだ余震が続いており、予断を許さない状況です。被害に遭われた方に哀悼の意を表すると共に、これ以上被害が拡大しないことを祈るばかりです。

不動産についても、地震などの災害に関連して日頃から考えておかねばならないことがあります。私自身、福岡市に収益物件を持っており、4月16日未明の本震で福岡が震度5強だったことを聞いて、管理会社に被害状況の照会を行いました。結果は問題無しでしたが、日本全国どこでも地震は起こり得るので、安心はできません。

東北から関東にかけての地域では、つい5年前にも「東日本大震災」が起こったばかり。東京都江東区にある我が家の近所でも液状化現象(地震発生時に、振動により砂地盤が液体状になる現象)が起こり、特に被害の大きかった千葉県浦安市では一時期、不動産価格の値下がりが起きました。

しかし、人間は「喉元過ぎれば熱さを忘れる」生き物なのですね。津波・液状化リスクが懸念された江東区では今、人口が増え続けていますし、浦安のマンションも売れ行き好調。震災グッズの売上も、地震直後は品切れ続出でしたが、今となっては平年並みとなっています。

不動産業界では、こんな格言があります。大きな自然災害が起こった後、一時的に影響があっても、「実需においては、2~3カ月でマーケットが戻る」、「投資用であれば、2~3年でマーケットが戻る」。


また、不動産投資界隈では「震災被災地の都市部の物件を安く買え」という格言もあります。被災地でパニックになった大家が物件を安く売る現象がある上に、震災をきっかけに、過疎地から都市部への人口移動が加速される面もあるからです。

実際に東日本大震災の後、仙台市や福島市では津波・原発被災地から都市部へ人口が流入し、入居率が大幅に上がった事例があります。

もちろん震災が起こらないに越したことはありませんが、不動産について考える場合、こうした現実にも常に情報網を張り巡らしている必要があります。



鈴木学◎グローバルに展開する不動産投資家。日豪を中心に世界7カ国で不動産に投資。投資案件開拓やセミナー講演で毎月のように世界各国へ出張。2000~05年シドニーに在住。現在は豪州国藉の妻、2人の子どもと東京在住 
Web: asia-pacific.tv

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