11歳と5歳の子どものParenting Ordersについて

何でも相談

Q 11歳と5歳の子どものParenting Ordersについてです。最近上の子が父親の家に行きたがらなくなりました。私も仕事を始めた関係で父親の家に連れて行くのに手間がかかります。これを変更することは難しいでしょうか。
(42歳会社員=女性)

A Parenting Orders(子どもの養育に関する裁判所命令)の変更は、両親ともに変更とその内容に合意しているのであれば比較的簡単に行うことができます。現行のOrdersの変更を家庭裁判所に申し立てる手続き(Application for ConsentOrders)がその方法で、これは正式に現行のOrdersを変更することになりますが、両当事者の合意の下行う手続きですので争う必要もなく、低コストそして短期間で完結します。場合によっては(つまり相手の気が変わらないことが本当に信用できるのであれば)、弁護士を依頼せず当事者だけで処理することも可能です。両当事者間でParenting Planを作成することがその手段で、Parenting Planは特定の書式に沿うことが求められていませんので当事者間で自由に作成することが可能です。ただし新たな合意事項をParenting Planに盛り込む前に、現行のOrdersを変更することが両当事者共通の希望であることを明記することが重要です。作成したParenting Planは必ず両親ともにサインをし、コピーを1部ずつ保管しておくようにしましょう。

ただし、Ordersの変更に関して相手の合意が得られない場合は、先述のように簡単にはいかず、変更を希望する当事者が家庭裁判所にOrders変更の申し立てを行う必要があります。これは新たに訴訟を開始する時と手続きはほぼ同じで、変更希望理由を裁判所に対して説明する必要があります。他方当事者の合意が得られていない上では、一般的に裁判所はこうした変更申し立て手続きでは否定的な立場を取ります。裁判所を納得させるためには、前回の裁判以降状況が大幅に変わったことを立証する必要があります。認められる変化としては、当事者や子ども自身の生活環境や状況が変わったこと、または(再婚や子どもの出生など)新たな状況が発生したこと、などが挙げられますが、変化は大幅なものである必要があります。ほかに認められる理由としては、前回の裁判時に相手側から出されなかった重要証拠が発見された、などとしたこともあります。さらに近年の判例では、子ども自身が発育したことによる身体面、精神面の変化も状況の変化として認められるとした例もあります。

生活環境や状況が変化するに応じてParenting Ordersの内容が適合しなくなってくるのは珍しいことではありませんが、変化に合わせた形でOrdersを守ろうとすることは事実上Orders違反であり、場合によっては相手側にこちらの状況を利用し裁判所に違反を訴え出る機会を与えることにもなります。Ordersを厳密に守ることができない状況に達した場合は、できるだけ早い段階で上述のいずれかの方法を取り変更を客観視させることが重要です。※なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


日豪プレス何でも相談

 

山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る