豪州における未成年者の性行為や結婚の決まりは?

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Q 先月号のAge of Consentについてですが、子どもの性行為や結婚などについてもあるのでしょうか。教えてください。
(41歳主婦=女性)

A 親の承諾なしに結婚ができる年齢は男女ともに18歳と法律で定められています。16歳以上18歳未満については親の承諾が必要とされますが、裁判所は親の決定を覆す権利を有しています。

性行為については、定義を少しでも狭める為にここでは性交渉と表現しますが、それでも性交渉については関連刑法上では非常に包括的に定義づけられています。同法上では性交渉に対する同意を与えることが可能であるとされるのは16歳以上であり、同年齢未満の子どもには同意を与える能力がないとみなされるため、16歳未満の子どもとの性交渉は犯罪となります。従ってもし誕生した子どもの親が(妊娠成立時に)いずれも16歳未満であった場合には理論的にはいずれの親も罪を犯していたことになります。しかし実際では、親同士の年齢差がほとんどなかったり、妊娠が和姦(互いの合意による性交渉)であったと認められたりする限りにおいては特に問題視されることはありません。これは子どもの性虐待を防止する目的のもと存在する法律であるからです。

ちなみに妊娠中絶に関する法律についても少し述べたいと思います。刑法上では非合法的な妊娠中絶は禁止されています。「合法的な」妊娠中絶とは、医師が「その妊婦の経済的、社会的及び医学的な個人状況を考慮した上で、妊娠継続が彼女の身体的あるいは精神的側面に著しく悪影響を及ぼすと妥当に考えられる状況下での中絶」を意味します。中絶を行う医師に対する妊婦からの承諾は、その他の多くの医療措置に対する承諾と同じで、その子どもの成熟度に応じて受け入れることができることになっています。妊婦である子どもの成熟度が高いことを医師が認めれば親の承諾を必要とすることはありません。ただし、現実には14歳未満の場合であればほとんどの医師が親の承諾を求めており、親が中絶を承諾しない場合には、親の承諾を要求せずに中絶を行ってくれる医師を探したり、裁判所からの命令を得たりして中絶をすることが一般であるようです。

コンドームなどの避妊具の購入に年齢制限はありません。その他の避妊法や薬(たとえば経口避妊薬)については、医師からの処方箋を得るのに親からの承諾が必要とされるか否かが問題になり得ますが、それもやはり、その子どもの成熟度をもとにした医師の裁量に委ねられています。ただし、そうした避妊薬の処方箋の提供も含め、14歳未満の子どもに対する医療措置はそうした措置の複雑性、考えられうる体への影響とその永続性、そして措置を必要とする状況の緊急性などにもよりますが、ほとんどの場合親からの承諾が必要とされています。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

1998年NSW大学卒業(法学士・教養学士)。同年弁護士資格取得。1998年より数々の法律事務所での経験を重ねた後、「Yamamoto Attorneys」を設立、現在に至る

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