シドニーにもよくある風俗営業を行っている店は合法?

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Q シドニーでは至る所で風俗営業を行っている店を見かけますが、これらの店は合法なのでしょうか?
(42歳観光者=男性)

A NSW州では売春宿(Brothels)を経営したり、そこで働いたりすることは合法的行為となっています。他人を脅したりして第三者との売春行為を強要することは違法行為ですが、売春宿を経営し、被雇用者が娼婦・男娼として得た収益を基にビジネスを行うことは違法行為ではありません。ただし、個人が娼婦・男娼として働く場合、18歳以上であることが義務付けられています。

売春宿は管轄地区によって地方自治体が管理しており、場所、営業方法、衛生的環境、安全性などをコントロールしています。売春宿には、被雇用者や顧客の衛生的で安全な環境を保つことが義務付けられており、性感染症を患っている被雇用者がいる場合には、インフォームド・コンセント(十分な説明を受けた上での同意)が必要となる法律の適用を受けることがあります。また、既存の売春宿が地域に及ぼす影響を調査するのも地方自治体です。地方自治体の営業許可無く、または条件に反して営業を行った場合は許可の取り消しや、営業停止処分が下ることもあります。

街頭娼婦・男娼(街頭で売春を行う者)として働くことは基本的に合法です。ただし、住宅地、学校、教会、病院などの公共施設から見える場所で売春(勧誘)行為をすることは禁じられています。また、そのような場所で買春行為をした顧客も罰則の対象となります。加えて勧誘の意味での売春・買春だけでなく、そのような場所で性交渉が行われた時は(たとえ車内などで、外部から見えなくても)、交渉に関与した全ての者が罰則の対象となります。

個人の家などで単独営業する場合も、売春宿を経営していると見なされ、地方自治体の許可が必要です。アパートなどでの営業は建物の管理組合の承諾が必要となることもあります。

また、リカー・ライセンスがある店で娼婦・男娼として働くことも禁じられており、違反した場合は店の経営者だけでなく、娼婦・男娼も罰則の対象となります。

ストリップ・ショーなどについては過度の露出、わいせつな行為、観客を巻き込むような行為などが禁じられています。なお、売春宿あるいは売春行為を宣伝する看板を掲げたり、その他の宣伝広告を行うことは原則的に禁じられており、娼婦・男娼の求人広告も同様です。

またマッサージやサウナ、フォト・スタジオなどと称して、実際は買春宿としてのサービスを行うことは違法行為とされ、経営者のみならず、被雇用者や顧客、場合によってはその他の労働者(受付や清掃業者など)も罰則の対象となります。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

1998年NSW大学卒業(法学士・教養学士)。同年弁護士資格取得。1998年より数々の法律事務所での経験を重ねた後、「Yamamoto Attorneys」を設立、現在に至る

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