ディファクトの男性が先夫との実子を養子縁組するには

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Q オーストラリア国籍の男性とディファクト(事実婚)として一緒に住んでいますが、最近私たちの間で私の先夫との間の子どもと養子縁組をする話が出ています。養子縁組をするとはどのようなことなのでしょうか。ちなみに、子どもは現在6歳です。
(40歳主婦=女性)

A 養子縁組とは、ある子どもが実親の子どもでなく、ある他人の子どもとなるための正式な手続きです。養子縁組が認められればその新たな親子関係は裁判所からの命令がない限り永久的なものとなります。

養子縁組が認められると、養子には新しい出生証明書が発行されます。その証明書には養親の詳細が、そして養親に他に子どもがある場合は、その子どもの詳細が兄弟または姉妹として記載されます。元の出生証明書を含めた実親の詳細は保存されることになり、養子本人は18歳になるまでそれら詳細を入手することはできません。実親は実子に対する親としての権限・義務を全て喪失し、実子は実親からの相続権を喪失します。また、子どもは裁判所に認められた場合でない限り、実親に面会することはできません。

特例や裁判所に認められる場合を除いて、養子とすることができる子どもの年齢は18歳未満で、養親となる申請者に求められる条件は、①婚姻関係にある夫婦、②内縁関係にある2人(同性の内縁関係も含む)、また③21歳以上の独身者であることのどれかとされています。なお、申請者と養子となる子どもとの年齢差が18歳以下の場合の申請は通常認められていません。

手続き自体に関しては、ご質問者のケースは養父になる男性が継子と養子縁組する申請を行うことになり、NSW州の場合だとNSW州最高裁判所から養子決定を得る手続きを行うことになりますが、その前に申請者が家庭裁判所からの許可を得ることから始まります。この許可はそれまでに家裁から出されていたその子どもの養育に関する命令を全て無効化するためのもので、この家裁からの許可が得られていなければ養子決定が出された後も実親の持つ権限が有効のままとなってしまいます。

最高裁判所での手続きに移った場合、最高裁判所では申請者の人格やその子どもの養父となるための適性・素養が審議されます。人格については、申請者が関係する方面からの信用照会や警察からの犯歴証明などで審査されます。また適性・素養審査については、その子どもとの関係や周辺状況全般が審査の対象となり、その他のオプション(例えば里親となることや家裁からの養育命令を得ることなど)と比較しても養子縁組が最良策であることを確認するために行われます。

継子が申請対象となる場合、子どもの年齢は5歳以上であることとされており、更に申請者が過去2年以上その子ども及びその子どもの実親(つまりご質問者自身)と安定かつ継続した共同生活をしていることも要件とされています。

なお、5歳以上の子どもについては、子ども自身が養子となることを認識・同意していることの確認が求められることがあります。これは子どもの成熟度に応じて対応が決められ、申請時点で認識が困難な場合には適正時期に子どもに説明することを申請者が誓約することになります。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

1998年NSW大学卒業(法学士・教養学士)。同年弁護士資格取得。1998年より数々の法律事務所での経験を重ねた後、「Yamamoto Attorneys」を設立、現在に至る

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