Lay-bysとはどういう仕組みですか

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Q オーストラリアで買い物をするときに店員さんから「“Lay-bys”出来ますよ」と言われることがありますが、“Lay-bys”とは一体どのような仕組みなのでしょうか。
(40歳主婦=女性)

A オーストラリアとニュージーランドで見かける“Lay-bys”とは、簡単に言えば「店との合意の下、割賦(かっぷ)で消費者が商品を購入する制度」です。イギリスなど他国では“Layaway”と呼ばれる似た制度がありますが、日本語でこれらの制度は「前金予約(割賦)制」などと訳されているようです。

2011年に成立した法律「the Australian Consumer Law」が“Lay-bys”について規定しており、同法上の定義では①ある購入者がある商品を3回以上の分割で商品価格を支払い、また②総額を支払い終えるまでその商品の受け渡しが行われないもの、とされています。

“Lay-bys”を行うには書面による事前の合意が必要となります。合意書には違約金など解約に関する条件も含め、購入に関する全ての条件が平易な文章で記載されることが必須とされています。解読不能な文字や印字の合意書は無効となり得ます。

購入者はいつでも“Lay-bys”をキャンセルすることが出来ますが、キャンセルした場合、店側は自らに落ち度がない場合(上述の用件を満たしていない理由で合意書が無効であるとされた場合など)を除き、購入者に違約金を課すことが出来るようになっています。

この違約金については、ある金額や一定のパーセンテージが上述の法律上で規定されているわけではなく、店側の状況に応じた妥当なコストを請求することが許されています。例えば、冬物のコートを6月に“Lay-bys”で購入した購入者が9月にキャンセルした場合、シーズン末期になってのコートは定価で売りにくくなります。そうした場合、値下げせざるを得ない金額は店側の妥当なコストとして認められ、キャンセルした購入者の負担とされるでしょう。もし実際にキャンセルされたのであれば、店側はそれまでに購入者が支払った金額のうち違約金を除いた全額の払い戻しをする必要があります。また、それまでに支払われた金額で違約金がカバーされない場合には、購入者に対する債権となります。

これに対して店側は①消費者が購入条件を守らなかった(一般に一定期間割賦支払いが行われないなど)、②店がビジネスを止めた、③店側の落ち度がないことを前提に対象商品の引き渡しが不可能になった(天災などの理由により)という3点の理由以外では“Lay-bys”をキャンセル出来ないようになっています。そして、②と③の状況下では違約金の課金は認められないとされるでしょう。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

1998年NSW大学卒業(法学士・教養学士)。同年弁護士資格取得。1998年より数々の法律事務所での経験を重ねた後、「Yamamoto Attorneys」を設立、現在に至る

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