飼い犬が他の動物や人間を襲い、訴えられた場合の対処法は?

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Q 犬を放すことが出来るドッグ・パークはシドニーに幾つかありますが、あるパーク内で別の犬の飼い主に、私の飼い犬がその人の犬を襲った、として後日訴えられました。実際には、犬同士は威嚇し合っただけで、私の犬はその犬に触れてもいません。こういった場合、どのように対処したら良いのでしょうか。
(30代会社員=女性)

A ドッグ・アタックとは

もし飼い犬が他の動物や人間を襲った場合(一般にドッグ・アタックと言われるケース)、その犬の飼い主は法的に罰せられる可能性があります。注意が必要な点は、実際に自分の犬が相手の人間や犬にけがをさせなかったとしても、その相手が「恐怖」を感じたらそれはドッグ・アタックとみなされる、ということです(Companion Animal Act 1998 第16条)。

処罰の対象となった場合の飼い主への罰則

もし裁判所において審問の結果、有罪判決が出ると、その罰則として飼い主には最高7万7,000ドルの罰金、または最長5年の刑期が言い渡される可能性があります。またその有罪判決は飼い主の犯罪歴となる可能性もあり、そうした犯歴は飼い主の将来のビザ申請や海外渡航、就職の際に影響をもたらすこともありますので、慎重な対応が必要です。もしドッグ・アタックで裁判所に出廷命令が届いたら、速やかに法律アドバイスを受けることをお勧めします。

処罰の対象は飼い犬にも及ぶ

また、処罰は飼い主だけでなく、飼い犬にも及びます。最悪の場合、その犬に安楽死の命令が出されることがあります。一般的な処罰としては、「危険な犬」として登録するための「A Notice of Intention to Declare Dangerous Dog」がカウンシルから送られてきます。一旦犬が危険な犬として登録されると、その犬の飼い方にさまざまな制約が課せられたり、再びその犬が問題の対象となった場合、次の罰金は10倍以上の金額になることもあります。こうした事態を未然に防ぐべく、事前の対処が重要となります。

この通知を受け、不服申し立てを行う場合には、その飼い主は7日以内に書面で反論(A letter of Objection)を行う必要があります。危険な犬と登録された後でも、登録後28日以内であれば地方裁判所、または12カ月以内に当該カウンシルに申し立てを行うことも出来ます。我々の経験から最も有効なのは、指定期日以内に反論書を当該カウンシルに提出することだと考えられます。

犬の飼育に関するその他の規定例

上述した内容以外にも、犬を飼う場合には一般にさまざまな規定が設けられています。例えば、犬の生後12週間までにマイクロ・チップを入れること、生後6カ月までにカウンシルに登録すること、犬を常にコントロールすること、公共の場所で糞を拾うことなどがその例です。更に、その犬が危険な犬と認定されていた場合には、罰金が倍増の対象になることがあります。

快適な犬との生活を送るためにも、地方行政の飼い主の対応のウェブサイト(Web: www.olg.nsw.gov.au/public/dogs-and-cats/responsible-pet-ownership-program)を閲読されることをお勧めします。

なお本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

1998年NSW大学卒業(法学士・教養学士)。同年弁護士資格取得。1998年より数々の法律事務所での経験を重ねた後、「Yamamoto Attorneys」を設立、現在に至る

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