カフェ開業のために店舗契約を。気をつける点は?

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Q

カフェを始めるに当たり、店舗を借りることになりました。リース契約を結ぶ時には、どういうことに気を付けたら良いでしょうか。
(30代男性=飲食店勤務)

A

カフェを営む上で、店舗のリースが最も重要であると言っても過言ではありません。賃貸期間、賃料、賃料の見直し条件、銀行保証、共益費の負担、営業日や営業時間の指定、店舗内の器具備品の修繕義務といった基本的な事柄について気を付ける必要があるのはもちろん、リース契約書には他にも多く、大家に有利な条件が課されています。

大家と条件について交渉する上でベストなタイミングは、リース契約のドラフトが発行される前の時点です。従って、この時点で経験のある弁護士などの専門家に相談し、いろいろなアドバイスを受け、基本的な条件について大家と交渉すると良いと思います。

リース締結前のチェック・リスト

  • 所有者及び物件に登記上の問題がないかの確認。
  • カフェを営むことができる開発許可が役所から下りているかの確認。
  • トイレ、エアコン、冷蔵庫、コンロ、グリース・トラップなど重要な物については、問題がないか業者に検査してもらう。
  • 器具備品を引き継ぐ場合には、それらの所有権の確認(場合によってはリースされていたり、抵当権が設定されている可能性もある)。
  • 店舗を改修する場合には、大家と事前合意をしておく。
  • 既存のビジネスを購入する場合には、売り上げと併せて、上述のような調査をし、購入価格が適正であるか判断する。

銀行保証

商業物件をリースする場合、大家はほとんど例外なく、賃料数カ月分の額の銀行保証を必要とします。銀行保証とは、店子(たなこ)が支払い不能になった場合、銀行が店子に代わって合意された分の賃料を大家に支払うというものです。

銀行はその保証を出すに当たり、店子が同額の定期預金を担保として設定することを通常必要とします。従って、リース期間中、その定期預金は凍結されてしまいます。

リース期間

リース期間が終了した後、同リースを更新するか、また更新後の賃料を幾らにするかは、大家の自由裁量に委ねられてしまいます。繁盛店の場合には、新たなリース契約を締結するに当たり、大家が足元を見て賃料を高く設定してくることも十分考えられます。また、第三者が、店舗に対し多額の賃料を大家に提示し、その商売を乗っ取ろうとすることもあります。この場合、第三者が提示した賃料が、新たな賃料となりかねません。

リース期間は長ければ良いというものでもありません。「ようやくリースが終わり店がたためる」とほっとしているテナントもいるわけです。この点、リース期間延長オプション権というものが借り手に与えられている契約も多く見られます。

リース契約は千差万別ですので、上記以外にも気を付けるべき点は幾つもあります。それぞれのビジネス上のニーズもあるでしょうから、やはりリース契約の前に、弁護士に相談してみることをお勧めします。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


林 由紀夫(はやし ゆきお)
H&H Lawyers

横浜市出身。1972年来豪。78年ニュー・サウス・ウェールズ大学法学部卒(法学士、法理学士)。79年弁護士資格取得。同年ベーカー&マッケンジー法律事務所入所。80年フリーヒル・ホリングデール&ページ法律事務所入所。84年パートナーに昇格。オーストラリアでの日系企業の事業活動に関し、商法の分野でのさまざまなアドバイスを手掛ける

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