ビジネス売買に関する基礎知識などを教えてください。

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Q: 既存のレストランを購入しようと思っていますが、日本ではビジネスを売買するということはあまりないのでなかなか理解しづらい点があります。例えば、売り値が妥当かどうかの判断はどのように行えばよいのでしょうか。ビジネス売買に関する基礎知識などを教えてください。

(40歳男性=無職)

A: 既存のビジネスを購入するということは、既存の顧客層を引き継ぐことができ、ビジネス開始日から収益が見込めるという点や、造作や備品などがすべてそろっていて工事などで時間を費やすことなく、すぐにビジネスが開始できるという点など、さまざまな利点が挙げられるでしょう。

しかし、既存のビジネスを購入する上でのこうした利点も、自分のビジネス・プランと照らし合わせ、合致しなかった場合には全く無意味なものになってしまうこともあります。そうした意味から購入前のビジネスの査定や評価は非常に重要なものであると言えます。

こうした査定や評価は一般にデュー・ディリジェンス(due diligence)と呼ばれ、場合によっては会計士やファイナンシャル・アドバイザーなどが依頼を受けたりすることもあります。 デュー・ディリジェンスの内容はビジネスの性質によって大きく変わりますが、一般的な考察の対象事項の例としては以下のような事柄が挙げられます。

・ビジネスの資産の現在価値に対して価格は妥当か。

・ビジネスの性質に対して収益は妥当か。

・店舗などのリースを十分に確保できるか。

・売上や収益は伸びているか、縮小しているか。

・会計記録は保管されているか、過去の情報が十分得られるか。

・経営面での諸経費はカバーできるか。・材料の仕入れなどが難なくできるか。

・主要となるスタッフを引き続き留保できるか。

つまり、デュー・ディリジェンスを行うことによって、自分のビジネス・プランと照らし合わせて購入価格の妥当性が計れることになるのです。

通常買い主の購入の意思表示があって初めて、契約書が売り主の弁護士によって作成されます。次に契約書は買い主の任命した弁護士に送付され、精査されます。この時点で、実際に購入価格に含まれるものの再確認、契約書や印紙税の説明、買い主がビジネスを購入する上での最適な形態(法人/個人/パートナーシップ/トラスト)を検討したりします。また、必要に応じて売り主自身や売却の対象となっている資産に関する調査なども行われることになります。

ビジネス売買は不動産売買と同じような流通性(例えば新聞に広告が掲載されたり、ビジネス仲介を生業とするビジネス・エージェントが存在したりする点)を持ち、上述の通り、売買契約手続きにおいても不動産売買のそれと似た部分があります。しかし、不動産が近隣の市場価格や利回りなどを基に鑑定評価を得られるのに対し、ビジネスはそれらの要素だけでは計れない部分が多いため、妥当とされる購入価格を査定するのが比較的難しいと言えるでしょう。このため購入前のデュー・ディリジェンスは非常に重要なことです。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

 


 

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山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメン バーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している

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