裁判所に書面で罰金の取り消し申請をすることを検討しています

日豪プレス何でも相談

 

Q: 先日、急な用事で電車を1駅だけ乗り越し、下車駅の改札で1駅分の乗り越し料金を払おうとしたら認められず、1駅間の無賃乗車で罰金200ドルを請求されました。納得がいかず、現在裁判所に書面で罰金の取り消し申請をすることを検討しています(既にCourt Attendanceが届いています)。考えられる結末をご教示ください。場合によっては何らかの犯罪歴のようなものが残ってしまうのでしょうか。

(33歳会社員=男性)

A: 日本の場合、乗り越しについては追加料金を降車駅で清算することが一般化されていますが、オーストラリアではそうではありません。何らかの理由があってこそのポリシーでしょうが、清算する意図を持っての乗り越しを無賃乗車同様に扱われてしまうのではなんとも融通がきかないと思わざるを得ません。

Court Attendanceを受け取った場合、被告人には原則として裁判所出頭の義務が与えられますが、ご質問者の場合のような軽微犯罪(交通犯罪を除く禁固刑が罰則対象とならない軽犯罪)に関しては、罪状を認めた上で欠席することも許されます。その場合には被告不在のまま審判が下されることになります。欠席する際にはCourt Attendanceに記載されている期日の最低5日前に、欠席の意思を所定の書式で裁判所に提出する必要があります。その際、罪状を認める意思を明記します。

ご質問者の場合では、上述の所定の通達書とは別に情状酌量を申し出るための文書や身元照会状を用意し、通達書とともに裁判所に提出することをお勧めします。こうした文書の中で、降車予定駅を乗車時に確定できなかった理由、(乗り換えではなく)乗り越しをせざるを得なかった理由、降車駅で運賃清算を行う意思があった事実などについて詳細に説明します。当てはまる場合には、当地の公共交通機関には不慣れであることや、行き先について不案内であったことなどを付け加えることも、当地の事情や乗り越し不可の事実について認識がなかったことを示すために効果的でしょう。悪意の不存在を強調するために、日本における事情についても説明するといいでしょう。

日豪プレス何でも相談

身元照会状は第三者(できれば当地社会において信用に値する役職に就いている人物が望ましい)に用意してもらいます。

この中でご質問者とどの程度(期間、親密さともに)の親交があるか、ご質問者がいかに信用に値する人物であるか、また、悪意を持って犯した罪ではないと信ずる事実などを証言してもらいます。該当する場合には、ご質問者が当地に不慣れであることを証言してもらうことも効果的でしょう。

裁判所では、提出された文書を判事がすべて確認した上で判決が出されます。有罪が確定した場合には、反則金の支払いが命じられ、被告には裁判所の費用などの支払い命令とともに後に書面で知らされます。原則として犯罪記録も残されます。ただし、情状次第では罪状がすべて棄却されることも考えられ、その場合には裁判所の費用支払いもなく、また記録にもなりません。

ただし、欠席裁判の要請が許されているとは言っても、被告からの一方的な説明のみで判事を十分に納得させる確証はありません。対面で情状酌量を求めることが最も効果的であり、また、真摯な態度こそが判事の心象を良くするものであることは言うまでもありません。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。

 


 

日豪プレス何でも相談

山本(青木)智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメン バーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している

新着記事

新着記事をもっと見る

NICHIGO CHANNEL

新着イベント情報

新着イベントをもっと見る