隣人の木の枝が敷地内に入ってきてるのですが・・・

Q 小規模フラット(4軒)の内の1軒に住んでいます。この4軒の各オーナーでいつも話題に上がるのが隣の家の木で、枝が覆いかぶさっているばかりか、張り出した木の根が私たちの駐車場のコンクリートを持ち上げ割れ始めているのです。どう対処すべきでしょうか?
(40歳主婦=女性)

 

A 関隣の家の庭木が覆いかぶさっている場合において、迷惑を被っている方の住人が境界線からはみ出している部分を伐採すること自体には違法性はありません。隣人(木が植わっている方)の許可も必要ありません。ただし伐採行為に費用がかかる場合、その隣人にコスト請求をすることはできません。そればかりか、その木、あるいはその他の木、隣人の家屋や土地等に何らかのダメージが生じた場合には、伐採行為を行った方に責任が追求されることになります。従ってそうした自己解決手段を講じる場合には事前に庭師等からのアドバイスを受ける方が良いでしょう。もちろん不要なトラブルを避けるために隣人に伐採の意志を申し出ることが妥当です。

また、木の種類によっては地域によって保護対象に指定されていることもあり、その指定されている木を伐採することは違法行為となりますので、協議会などへ事前に問い合わせることも必要となるでしょう。

隣人を訴えることは理論的には可能ですが、単刀直入に申し上げると、特に小規模の問題の場合、費用対効果についての疑問もさることながら、隣人との恒久的なトラブルの原因となることは事前に予測しておくべきでしょう。ただし、この場合は建物の価値自体を下げる可能性があるので、損害賠償請求訴訟をオーナー全員で考慮すべき問題である可能性が高いと思われます。

隣人側に植わっている木による怪我や物的損害に対する訴えは環境裁判所(the Land and Environmental Court)で行うことになります。ただし、特筆すべきことは、裁判所がそうした訴えを認めるのは、訴えを起こす前に当事者間が和解を試みるための妥当な努力を行った事実がある場合に限られるということです。法的手段を講じるには多くの時間と費用を要するもので、前述のとおり、費用対効果が期待できる被害金額であるか否かの事前判断が非常に重要となります。また隣人が相手となる訴訟手続きは勝敗にかかわらず後味の悪いものとなるでしょう。隣人とのトラブルについては対話による解決が一番の策であると言わざるを得ません。ワンクッションを入れる意味でも弁護士を介しての和解を望むべきでしょう。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys
NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している。

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