豪州の方と国内で結婚ののち、日本で離婚。豪州に戻ってきてからは?

Q オーストラリアで婚姻の手続きをした夫婦です。最近日本で離婚したのですが、その効力がオーストラリアで承認されるために何かなすべき手続きがあるのでしょうか。また、協議離婚か調停や裁判離婚での離婚かによって手続きは異なりますか。
(35歳会社員=男性)

 

A ご質問の文脈からおそらく日本の方式で離婚されたことと思いますが、まずオーストラリアで結婚した夫婦のうち、いずれかがオーストラリア国籍を持っていればオーストラリアの家庭裁判所に(最も簡単なのはオンラインで)離婚申請をすることができますので、たとえ当事者が2人とも日本におられたとしてもオーストラリアからの離婚証明書が発行されます。

日本国内で日本の法式に従って離婚したのであればFamily Law Act 1975の104条の適用を受けると思います。同104(3)条で、外国での離婚は、「当該国の法律に従って成立した離婚であれば当地でも承認される」と規定しており、その条件としては以下の通りです。

 

(a)被告が当該国の居住者であった。
(b)申立人が当該国の居住者であり、申し立て日より遡って1年以上継続して当該国に居住していた。あるいは当事者の最終婚姻生活が当該国であった。
(c)被告あるいは申立人のいずれかが当該国の法管轄の居住者であった。
(d)被告が当該国籍を持っていた。
(e)申立人が当該国籍を持っており、当該国の法管轄居住者であった。あるいは遡って2年のうち12カ月間在住していた。
(f)申立人が国籍保持者で当該国におり、そして最終婚姻生活の地が当該国であった。

そして同104(4)条により、オーストラリアの法律やポリシーに反するような要素が存在しないこととされています。

同条により日本を含めた外国で成立した離婚はオーストラリアでは「何もしなくても」認められるということです。協議、調停、あるいは裁判離婚の別についても当該国での法律に従って成立した離婚であれば承認されるものとされていますので、同条文の解釈に違いは生じません。

日本には戸籍制度があり出生、結婚、離婚、死亡などの事実がすべて記録保管されるシステムになっています。これに対してオーストラリアでは(当地で発生した)出生、婚姻、死亡の記録のみthe Registry of Births, Death and Marriagesで保管され、離婚については国内外を問わず保管対象とはなりません。

国外で離婚したことの証明(例えば対移民局、銀行など)は日本人の場合、通常戸籍を翻訳したもので十分とされます。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys
NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している。

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