不定期で労働した場合のLong Service Leaveはどうなりますか

Q 中小企業の同じ雇用主の下で働いて今年で12年になり、永住権保有者です。最初の10年はカジュアルとして働き、月に1度や週に1~2度呼ばれた時のみ働いていましたが、一昨年より週3日のパーマネント・パートタイムで雇用されています。人に聞くとカジュアルでも10年同雇用主の下で働けば Long Serviceが適用されるはずであるとのことですが、本当でしょうか? 適用された場合、私のように不定期に働いた者にはどのようにLong Serviceが与えられるのでしょうか?
(43歳保育士=女性)

 

A Long Service Leave(以下LSL)とはLong Service Leave Act (NSW) 1955によって規定される有給休暇で、同雇用主の下での勤続がある一定期間以上継続した時点でその権利が発生します。同法令上の規定では通常、勤続10年で2カ月間分の有給休暇の権利が発生し、その後5年ごとに1カ月ずつ発生します。勤続5年以上10年未満の場合に雇用主側の都合、被雇用者側の疾病や育児などの理由、あるいは被雇用者側の死亡が理由で雇用関係が終了される場合には比例計算してLSLを雇用主が買い取ることも同法令上で規定されています。この場合の買取計算の際には、通常の賃金(オーバータイムや手当ては含まない)をベースとした計算になります。ちなみに勤続5年以上、10年未満の場合で雇用関係の終了が被雇用者側の違法あるいは不正行為などによる場合はLSL比例支給の対象にはなりません。

LSLは同法令の規定内容を上回る水準がアワード(特定業種内での最低労働基準を規定する文書)などで規定されることもあります。ちなみにご質問者に該当するアワードは2010年1月以前はKindergartens and Child Care Centres, etc (State) Award、それ以降はChildren’s Services Award 2010であると考えますが、LSLについての規定は両方のアワードともに同法令によることをうたっているため、ご質問者のLSLに対する権利は同法令を根拠に発生することになります。

同法令上、雇用形態は無関係とされています。つまり、LSLの権利対象となる被雇用者にはカジュアル、パートタイム、フルタイムでの被雇用者全て含まれるということです。合法的に働いていたことを前提にすればビザの種類も無関係ですし、もちろん永住・市民権の別もありません。従ってご質問者の場合も同じ雇用主の下10年以上の勤務を継続した時点で権利は発生していると思われます。ただし、その10年間は常に不定期勤務であったため、実際に働いた時間を基に比例計算された日数が有給休暇となります。当然、この先雇用関係が終了した場合のLSL買取も比例計算して支給されることになります。

「勤続」とは、当然10年間継続しての勤務のことですが、病欠や入院、LSLの発生を妨害するため雇用主側が意図的に勤務を中断させることなどは勤続の中断にはなりません。また、10年の間に雇用主がビジネスを売却したために雇用主名称が変更した場合であっても、通常は雇用が継続しているものと見なされます。

なお、本記事は法律情報の提供を目的として作成されており、法律アドバイスとして利用されるためのものではありません。


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山本 智子(やまもと ともこ)
Yamamoto Attorneys

 

NSW大学法学部・教養学部卒。International Lawyers Co-operativeのメンバーであるYamamoto Attorneysの代表として各種法務を遂行している。

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