専門家に聞いた!2018ビザ最新事情

専門家に聞いた!2018ビザ最新事情

流動的に要件の変更が見られるオーストラリアのビザ。申請に欠かせない必要書類や費用、条件などの基本情報に加え、今後予測される動向、それに合わせた注意点やアドバイスを専門家に話を伺った。「ワーキング・ホリデー・ビザ」「学生ビザ」「就労ビザ」「ディファクト・ビザ」に関する最新情報をまとめてお届けする。

ワーキング・ホリデー・ビザ
取材協力=日本ワーキング・ホリデー協会/真田浩太郎さん

ワーキング・ホリデー・ビザ申請に欠かせない条件や書類など、具体的に必要なものは下記の通りです。

申請条件

  • 申請日/ビザ発給日共にオーストラリア国外にいること
  • 過去にオーストラリアのワーキングホリデービザを使って入国したことがないこと
  • 申請時に18歳以上、30歳以下であること
  • オーストラリアに12カ月以上滞在する意思がないこと
  • 扶養する子どもが同行しないこと
  • 日本国のパスポートを保持していること

申請時に必要な書類

  • ワーキングホリデーで滞在する期間分有効なパスポート(パスポートの有効期限がワーキングホリデー滞在期間より短い場合、パスポート有効期間分しかビザが下りないケースもある)
  • クレジットカード(ビザ申請料金支払い用。VISAかMASTERが好ましい。申請者本人名義である必要はない)
  • 無犯罪証明書(過去5年間で日本国以外に半年以上滞在したことのある方のみ)
  • 健康診断書(状況に応じて)
  • 有効なメールアドレス(ビザ申請に必要なので、パソコンで確認できるものが好ましい)

ワーキング・ホリデー・ビザ所有者のオーストラリアでの滞在期間は、原則1年間です。ただし、政府指定の地域で88日間以上の季節労働を行うことで、セカンド・ワーキング・ホリデー・ビザを申請することができるようになります。セカンド・ワーキング・ホリデー・ビザも活用すれば、最大で2年間オーストラリアに滞在することが可能になります。また、ビザ期間内であれば、オーストラリアからの出入国は自由です。

収入の限度額などはありませんが、同一雇用主の下で働ける期間は最大で6カ月までと指定されています。ワーキング・ホリデー・ビザ利用者に対する課税に関しては、2018年の時点で「3万7,000豪ドルまで税率19パーセントで徴収、それ以上は額に応じて更に税率が高くなる」と発表されています。ちなみにオーストラリアでは学生ビザでも2週間で40時間までの就労が認められています。観光ビザでは働くことができません。

ワーキング・ホリデー・ビザの現在の申請料は、440ドルです(2018年4月17日現在)。ビザ申請完了後、数時間~数日で申請完了の連絡が届きます。場合によっては、その後追加書類の提出を求められるケースもあります。

オーストラリアのワーキング・ホリデー・ビザ申請は、全てオンラインで行われます。スマートフォンからもアクセスできますが、必ずパソコンから申請を行ってください。ビザ申請は英語で、日本語での申請はできません。もし申請内容に不備などがあり、ワーキング・ホリデー・ビザの申請に失敗してしまうと「ビザ申請が却下された」という履歴がパスポートに残ってしまい、他国のビザ申請や入国に影響が出る可能性があります。日本ワーキング・ホリデー協会を始めとするビザ申請サポート機関の活用をお勧めします。

2016年にオーストラリア政府から、オーストラリア・ワーキング・ホリデー・ビザの年齢制限を35歳に引き上げると発表がありました。ただし、18年現在年齢制限は引き上げられていません。

オーストラリアは日本と初めてワーキング・ホリデー協定を結んだ国であり(毎年日本人ワーキング・ホリデー利用者の半分(約1万人)がオーストラリアへ渡航しています)、最も多くの国とワーキング・ホリデー協定を結んでいる国でもあります。ワーキング・ホリデーを使って入国している方を重要な人材として認識する土壌ができており、16年にワーキング・ホリデー利用者に対する増税が検討された際は、労働者組合から猛反発が出たこともあります。今後も年齢制限の引き上げなど、オーストラリアでのワーキング・ホリデーに関する規定は、大きく変動していくことが予想されます。

プロフィル

◎真田浩太郎
一般社団法人・日本ワーキング・ホリデー協会

高校卒業後、ニューヨーク州立大学に留学。卒業後帰国し、日本ワーキング・ホリデー協会に就職、現在に至る。


就労ビザ
取材協力=アーンスト・アンド・ヤング/トニー・ミンさん

TSS(Temporary Skill Shortage)ビザのノミネーション及びビザ申請に必要な主な書類は以下の通りです。

  1. パスポート(各申請者)
  2. 戸籍謄本(家族の申請時)
  3. 署名された雇用契約書
  4. 職務記述書
  5. 履歴書
  6. 資格・卒業証明書
  7. 英語条件:短期就労(2年ビザ)‐IELTS:平均5.0、各セクション4.5以上中期就労(4年ビザ)‐IELTS:平均5.0、各セクション5.0以上(またはOET, T0EFL iBT, PTE Academic test, Cambridge Englishで同等のスコア)
    ※ただし、英語によるフルタイムの中高・大学以上の教育を5年以上修了した場合やグループ会社間の派遣で基本給が9万6,400ドル以上の場合は免除される
  8. 過去10年間で、12カ月以上滞在した国の無犯罪証明書(16歳以上・各申請者)
    ※ただし、認定スポンサー(accredited sponsors)は、雇用主から犯罪歴がないことなどを記載したレターの提出によって、オーストラリアの無犯罪証明のみで良い
  9. 健康保険加入の証明

また、TSSビザ保持者には申請者本人か扶養家族かによって条件があり、申請者本人の場合、以下のような制約があります。

  • ビザが下りた職種、許可された雇用主のみでの勤務に制限される(雇用主がオーストラリア企業の場合は関連会社での勤務も可能)
  • 入国してから90日以内に勤務を開始、または既に国内にいる場合は、ビザが下りてから90日以内に勤務を開始すること
  • スポンサー企業での勤務を、連続して60日以上中止しないこと
  • 必要な資格、登録証明やメンバーシップを保持すること

雇用主の変更には、既にTSSビザを保有している場合、新たなビザの申請の必要はありませんが、新しい雇用主は移民局の認可が下りた雇用主であること、勤務開始前に新しい雇用主によるノミネーションが申請されかつ承認が下りている必要があります。新しいノミネーションが下りても既存のビザの有効期限及び付帯条件は変わらず、職種の変更もできません。

また、職種の変更の場合は、既存または新しい雇用主から、変更する職種でのノミネーションの申請と共に新しいTSSビザの申請が必要です。新しい職種での勤務開始には、必ずノミネーション及びTSSビザが事前に下りている必要があります。

ビザ申請料は、スポンサーシップ420ドル、ノミネーション330ドルに加え、短期就労(2年ビザ)の場合、申請者1,150ドル・配偶者1,150ドル・18歳以下の子ども290ドル、中期就労(4年ビザ)の場合、申請者2,400ドル・配偶者2,400ドル・18歳以下の子ども600ドルが掛かります。

また、取得に掛かる時間は移民局のウェブサイト(Web: www.homeaffairs.gov.au/about/access-accountability/service-standards/global-visa-citizenship-processing-times)で現在の目安の時間が確認できます。なお、認定スポンサーの場合はノミネーション及びビザの審査が優先されますので標準スポンサー(standard sponsor)よりも早くビザが取得できます。

就労ビザ申請で覚えておきたいこととしては、認定スポンサーになればビザの審査期間を大幅に短縮できることが挙げられます。同スポンサーの要件が最近緩和されたので、事前に確認することをお勧めします。もう1つの大きなメリットはオーストラリア以外からの無犯罪証明書の代わりに雇用主からのレターによる人物証明で要件をクリアできることです。また、無犯罪証明書の入手に時間が掛かると予想される場合は、一旦サブクラス400ビザ(短期特定活動ビザ)を取得することも就労ビザ申請の方法として考えられます。同ビザは短期期間(最長6カ月)で専門業務に従事する場合に取得するビザで、無犯罪証明書の入手は不要です。英語テストが必要な場合は、試験を受けれる日程が限られているため、早めに予約を入れておく必要があります。

今後予想される動向としては、下記のことが挙げられます。

  • トレーニング・ベンチマークに置き換わるトレーニング・レビーが法案通過後、正式に導入が開始される予定
  • 今後も職業リストが6カ月ごとに見直され、職業がリストから削除・復活したりSTSOL(2年ビザ)とMLTSSL(4年ビザ)の職業リスト間で移動する場合がある
  • 移民局とATOとの間でビザ保有者のデータが共有されビザ保有者やスポンサー企業に対する監視が強化される
  • これまでの職業リストでは該当する職業が限られていたIT分野などにおける新興企業向けの新しいビザ制度(Global Talent Scheme)が試験的に運用される予定

プロフィル

◎トニー・ミン
アーンスト・アンド・ヤング

EYシドニー事務所「Global immigration」チームのマネージャーで「Migration Institute of Australia」のメンバー。ニュージーランドの移民手続きの資格もあり、NSW州の「Justice of the Peace」でもある。長年にわたり日系企業のビザの手配を幅広く手掛けおり、特に就労ビザや永住権代行申請の実績が豊富。


学生ビザ
取材協力=Travel & Travel/幡地淳さん

学生ビザは、オーストラリア国籍や永住権を保持していない方がオーストラリア国内で就学することを目的とし、学校に通う期間+コース終了後の1、2カ月間の滞在が許されるものです。よってオンライン通信教育では学生ビザを申請することができません。学生ビザを申請するには、CRICOS(Commonwealth Register of Institutions and Courses for Overseas Students)に登録されている学校から入学許可書(COE)を発行してもらう必要があります。また学生ビザ申請者は、OSHC(Overseas Student Health Cover)健康保険に加入することが義務付けられています。

申請のプロセス

  1. 学校、コース、期間、入学日を決める(学校がCRICOSに登録されていなければなりません。また、コースはパートタイムではなくフルタイムでなければなりません。所定期間はコースにより異なります。同じDiplomaコースでも、A学校なら2年間ですが、B学校なら1年半など。入学日も学校により異なります)
  2. その学校への入学条件を充たすことを確認(年齢、英語、学歴、職歴など)
  3. 学校への入学申し込みを行う
  4. 入学案内レターと請求書をもらう
  5. 内容を確認し同意できれば、入学金や授業料を支払う
  6. 学校から入学許可書(COE)が発行される
  7. OSHC健康保険に加入
  8. 学生ビザ申請

申請時に欠かせない物は、パスポートとクレジット・カード(Debitカードも可)です。つまり、パスポート、クレジット・カード、入学許可書(COE)、OSHC加入証明がそろえば申請することができます。これら4つを手にし、オーストラリア移民局ウェブサイトからオンライン申請することになります。

上記4つに加えて、「Genuine Temporary Entrant(GTE)」と呼ばれる作文を添付する必要があります。これは入学希望の学校でそのコースを受ける目的や理由を述べるものとなります。その後、別途書類を要求される場合もあります。例えば医療系やチャイルド・ケア・コースを受講することになっていれば健康診断が求められるなどです。

オーストラリアで学生ビザ保持者として滞在する限りは、オーストラリアの法律の下で生活することが求められます。つまり、学生ビザ保持者は、授業に出席し課題などをこなし、コースを満了することが必要となります。就学しつつ就労することも可能ですが、2週間で40時間までという時間の制限があります。しかし収入金額の限度額はありません。なお、学校が定めるホリデー期間中は就労時間の制限はなくなります。

また、学生ビザを保持している間は、何度でもオーストラリアと海外出入国が可能です。日本への一時帰国や隣国への旅行もできます。それに当たり、学校に登録している住所や連絡先を常にアップデートしておくことが大切です。

学生ビザで永遠にオーストラリアに滞在することはできません。学校を卒業し、ビザ期限が切れる前にオーストラリアから出国し日本に帰国することになります。学生ビザが切れる前にまた別のビザを申請することも可能です。例えば、学生ビザで延長、観光ビザや卒業生ビザを申請するなど、各種それぞれその条件があります。

学生ビザの申請料金は2018年4月現在で560ドルです。クレジット・カード(Debitカードも可)での支払いとなります。オーストラリア移民局のウェブサイトからオンラインで申請することになります。25ページもの入力画面があり、パスポート情報を始め、日本の連絡先、学歴、職歴、過去10年間の海外渡航履歴、家族の誕生日などを入力します。慣れていても2時間程度は掛かります。申請途中で入力画面を保存することができるので、分からないことがあれば、一旦保存して調べてから入力を再開することも可能です。

申請後、取得までの時間は、ケース・バイ・ケースです。早い場合は即日、遅くて3~4カ月掛かることもあります。

オーストラリア国内で学生ビザを申請する場合は、有効なビザ期限内に申請しなければなりません。また、それまで保持しているビザの有効期限後の28日間以内に入学日が設定されていなければなりません。例えば、現在ワーキング・ホリデー・ビザで滞在しており、そのビザが6月1日に切れる場合、学校の入学日は、6月29日以前でなくてはなりません。もちろんワーキング・ホリデーで滞在中の5月に入学日があっても構いません。もし上記の場合、受講したいコースの入学日が7月1日以降であるならば、オーストラリア国内からの申請は不可能で、ワーキング・ホリデー・ビザが切れる6月1日までに日本に帰国し、日本から学生ビザを申請することになります。

日本から学生ビザを申請する場合は、入学日からさかのぼって2カ月前には申請することをお薦めします。

プロフィル

◎幡地淳
Travel & Travel(トラトラ)

広島県出身、1993年長崎大学水産学部卒業。社会人経験を経て2001年ワーキング・ホリデーで来豪。05年セントラル・クイーンズランド大学でMaster of Information Systemsを修了し永住権を取得。在学中からトラトラで勤務し、06年にMigration Agentの免許(MARN0640840)を取得しビザ相談も行っている。


ディファクト・ビザ
取材協力=スタッフソリューション・オーストラリア/アルバート・ファンさん

オーストラリアでデイファクト・ビザ申請をするためには、申請者とオーストラリア人(市民・永住者)パートナーがディファクト関係にあることの証明が必要となります。下記の条件全てが該当する場合、申請が可能となります。

  • 2人が合法的に婚姻関係にない場合
  • 2人が人生を共にする排他的なコミットメント状況にある場合
  • 2人の関係が真実で継続的なものである場合
  • 2人が永久的に同棲している、あるいは別居、別離状態でない場合
  • 2人が親類関係でない場合

2人が同性でも可能です。通常、ディファクト関係がビザ申請時からさかのぼり12カ月以上存在していなければならなりません。もし、ディファクト関係が12カ月未満の場合でも申請資格がある場合もあります。ビザ申請資格の確認を希望の際は、専門家に相談することをお勧めします。

テンポラリー・ディファクト・ビザ保持者には制限のない就労権利、一時的なメディケアの取得、そして2人の関係が破綻していなければオーストラリアに継続滞在し、永住ビザの申請結果を待つことができます。また、永住ディファクト・ビザ保持者は制限のない就労権利、メディケアの取得、オーストラリアでの永久滞在が可能となります。

ディファクト・ビザ取得までの一般的なプロセスは、下記の通りです。

  1. ビザ申請者がテンポラリー・ディファクト・ビザを申請
  2. テンポラリー・ディファクト・ビザが17~24カ月で認可(国内申請の場合)
  3. 2年後に永住ディファクト・ビザの申請資格が発生
  4. 永住ビザ申請の完了には18~23カ月永住ディファクト・ビザ取得までは、合計3~4年間掛かると言われています

ディファクト・ビザの申請料は、下記の表の通りです。

ビザ・サブクラス 基本料金 18歳以上申請帯同家族 18歳未満申請帯同家族
ディファクト・パート 7,000ドル 3,505ドル 1,755ドル

今後予想されるビザの動向については、家族が一緒にいることができるよう、ディファクト・ビザは今後も家族移住ストリームとして引き続き申請が可能であり続けることが予想されますが、もっと厳しく真実の関係であるかについて問われることになるでしょう。

プロフィル

◎アルバート・ファン(MARN: 1280959)
スタッフソリューション・オーストラリア

スタッフソリューション・オーストラリア「Registered Migration Agent」チームに在籍し、翻訳・通訳の国家資格であるナティ(NAATI)の資格も持つ。英語と中国語が堪能で、投資家ビザや就労ビザを始め、企業移行や両親やパートナー、子どもを呼び寄せる家族移行などの手配を手掛け豊富な実績を持つ。



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