メールでの弁護士との相談方法について

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法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第3回:メールでの弁護士との相談方法について

インターネットの普及により、最近ではメールで弁護士に問い合わせを行う方が増えてきています。そこで、今回はメールで弁護士に相談される際の注意点をご説明したいと思います。

まず、メールによる初回相談では、ごくごくシンプルな相談内容や相談を受けてもらえるかどうかのを問い合わせを除くと、弁護士から簡潔な答えが返ってくることはほとんどありません。

一般的に法律相談は事実を把握する作業と、これに法的解釈を加える作業の2つの作業が必要です。ところがメールでの相談者の多くは、まず自分が重要だと考える事実に基づいて一方的にメールで送ってくるものです。相談者は当然法律的に素人ですから、事実を法律的観点から整理する力はありません。

面談による相談だと、弁護士の方で、重要だと思われる事実について、相談者の相談内容から、法律的結論を導き出すために必要な事実を確認・補充する作業が出来ますが、メールでの相談ではそういった作業に何回かメールでのやりとりが必要になります。法律的な結論は事実によって変わりますし、正しい法律的解釈は正確な事実が前提に必要です。

例えば、お腹が痛いといっても、それがウィルス性のものなのか、盲腸なのか、はたまたガンなのか、適当に判断することはできません。医師の場合でしたら、実際に触診をしたり、レントゲンを取ったり、CTスキャンを経て病状と措置を判断するように、弁護士の仕事も状況を把握した上で進めていく必要があるものです。

ですから、一番最初の問い合わせメールでは結論を求めず、案件の状況説明を行い、また、相談を受けてもらえるかの問い合わせに終始するのがいいでしょう。また、相談に必要な証拠がある場合、その証拠となる書類や物なども、きちんとまとめておくとスムーズに話が進みます。現実に、証拠となるものがあるかないかで話が大きく変わることがありますので重要です。

弁護士と相談する際は事実をありのまま、なるべく客観的に伝えるようにします。ついつい、自分に不都合なことなどは話したくないものですが、有利なことも不利なことも、全て弁護士に伝えないと解決のための適切なアドバイスを受けることができません。後になって違う事実が出てきたりすると、話が全く変わってしまうこともあるので気を付けてください。

一度法律相談を受けていただくと、相談に応じた弁護士と知り合いになることで、次からは直接電話をかけるなどして、相談しやすくなるというメリットがあります。弁護士には守秘義務がありますので、安心してご相談ください。


弁護士:神林佳吾
(神林佳吾法律事務所代表)

1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後10年以上にわたって訴訟を中心に応対

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