オーストラリアの銀行口座凍結について – 身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第28回:オーストラリアの銀行口座凍結について

オーストラリアで弁護士をしていますと、せっかくオーストラリアで銀行口座を開設したのに、口座を凍結させられてしまったという方からご相談を頂くことがあります。口座凍結の理由は多種多様ですが、主に以下の点が挙げられます。

①口座における不正利用が疑われたため
 これは主にインターネット・バンキングやATMの使用時にパスワードの誤入力を連続して行った場合などが考えられます。

②過去の取引履歴から見て怪しい取引が行われた場合
 口座が不正にアクセスされている可能性がある場合、または、明らかに不自然な取引が行われているような場合、銀行は口座凍結を行う場合があります。例えば、私が取り扱ったことのある案件では、ネット・バンキングの上限額の引き出しを連日行った際に(銀行は口座が詐取されている可能性を疑い、口座主に連絡を行ったが連絡が付かなかったため)口座凍結を行う場合があります。

③口座名義人の死亡・盗難届け、また、拾ったATMカードが銀行に届けられた場合

④長期間にわたって、口座取引が行われていない場合
 日本ではなじみがありませんが、オーストラリアでは長期間お金の移動がないといった場合には、ATMカードや口座が利用できなくなり、不使用口座・休眠口座となり、口座へのアクセスが凍結される場合があります。

1つの目安として口座の不使用が3年間を過ぎると、「放置口座(Unclaimed Account)」となり、オーストラリア政府の預かり金として銀行から政府の口座に移行してしまいますが、これは没収されたということではありません。あくまでも、持ち主から連絡があるまで政府で保管するという性質のものとなります。

返還の手続きには時間が掛かりますので、定期的に口座にアクセスするか、長期間にわたって使用していない口座は閉設してしまうのが良いでしょう。

返還手続きについては以下のウェブサイトで解説しておりますので、ご参照ください。

■Web: www.kklaw.com.au/archives/unclaimed-money.html


弁護士:神林佳吾
(神林佳吾法律事務所代表)

1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後13年以上にわたって訴訟を中心に応対

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