オーストラリアのドローン操縦に関わる法律 – 身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第32回:オーストラリアのドローン操縦に関わる法律

近年、オーストラリアのビーチや遠隔地域では、政府主導でドローンが積極的に投入されるようになり、サメを迅速に見つけて遊泳客やサーファーらに警告を出したり、救助が必要な人に救命具を届けたりするなど、ドローンの活躍によって私たちの生活における安全性が飛躍的に向上するようになりました。

そこで、今回のコラムでは個人の方がドローンを操縦するに当たって適用される法律を解説したいと思います。

まず、商業目的でドローンを使用する場合には、オーストラリア民間航空安全局(CASA)に申請してライセンスを取得する必要があります。ただし、重量が2キログラム以下のドローンをレクリエーション目的で使用する場合には、特にライセンスは必要ありません。

そして、その際に守らなければならない主なルールは以下の通りです。

  • ●操縦しているドローンは肉眼で見える範囲でしか操縦しなくてはならず、ドローンを地上120メートル以上の高さで飛ばしてはいけない。
  • ●一度に操縦できるドローンは1人1台までで、そのドローンから30メートル以内に建物、車、そして人がいるエリアに向けて操縦してはならない。
  • ●警察や消防活動が行われている(事故や火災・人命救助などを含む)エリア付近の飛行はしてはならず、また、ドローンの総重量が100グラム以上ある場合は航空管制塔のある空港から半径5.5キロメートル内で飛行はしてならない。

ドローンの操縦時に特に気を付けてもらいたいことは、人や車両・建造物など周りに危害が及ぶ運転は危険行為と見なされて航空法の取り締まり対象となり、これに該当するとされた場合は9,000ドル以下の罰金が科せられます。

その他、道路交通法や刑法などの兼ね合いから、私有地に機体が不時着したり、それを取りに操縦者が私有地に立ち入ると不法侵入で処罰の対象になります。また、人がいないビーチや公園などでも自治体によってはドローンの飛行を条例で禁止している場合がありますので、事前に確認が必要となりますので注意が必要です。

残念ながら、現状では自分の敷地外でドローンを飛ばすのは難しいというのが実情かもしれません。


弁護士:神林佳吾
(神林佳吾法律事務所代表)

1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後13年以上にわたって訴訟を中心に応対

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