この時期になると増える相談について – 身近な法律問題

法律は何となく難しいもの――そう思ってはいませんか?しかし法律は私たちの日常生活と切っても切り離せないもの。このコラムでは毎月、身の回りで起こるさまざまな出来事を取り上げ、弁護士が分かりやすく解説を行います。

第40回:この時期になると増える相談について

毎年、クリスマスや年末年始の時期になると、私の事務所では飲酒運転と離婚についての依頼が急に増えます。

季節柄ということもあり、これらの相談が急に増える理由は想像に難くないところですが、今回は弁護士の経験から見た離婚理由について書いてみたいと思います。

世の中には「愛さえあればお金なんかなくても良い」「やっぱり現実問題はお金」など、いろいろな考え方を持った人がいます。

そうした人たちの価値観を否定する訳ではないですが、少なくとも私が相談を受けるクライアントのほとんどが、「経済的な問題」か「家庭を大事にしない」かのどちらかに該当しているのが現実です。

巷(ちまた)では、離婚理由で一番多いのは「性格の不一致」だと言われていますが、これはマジック・ワードだと思います。

やはり、他人には踏み込んだ離婚の理由は言い難いものですが、私の経験上、お金絡みで離婚に至るケースが9割以上といっても過言ではありません。

インターネット上では「愛があればお金がなくても、というのは真っ赤なうそで、お金がなければ愛情はなくなります」という身も蓋(ふた)もない意見が散見されますが、その意見はあながち間違いではないかもしれません。

実際にはお金がないことで精神的にゆとりがなくなったり、経済的なことで意見が食い違ったり、相手が家庭を大事にしない(例:自分の趣味にはお金を費やすのに生活費は出し渋る)ことが不満で離婚に至るケースの相談がほとんどです。

特に日本人女性は、スーパーマーケットのチラシを見て特売品や少しでも安い物を買うようにして、うまく献立が組み立てられるように奮闘している最中、ご主人はコンビニやガソリンスタンドで1本3ドルの缶ジュースを買っている点が不満だというような話はよく聞きます。

「スーパーマーケットで大きいペットボトルを安い時に買って家で飲めば良いのに……」と私も思いますが、この辺りは“価値観の違い”なので、夫婦でよく話し合うしかないと思います。

私の個人的な意見ですが、離婚問題は虫歯のようなもので、ある一線を越えてしまったら、一時的に痛みが引くことはあっても、放っておいても抜本的な問題は自然に解決しないように思います。

やはり、仲違いする原因が何かあるはずなので、それを取り除かない限り、不仲になりがちな関係は解消しないのではないかと思います。

家族で一緒に過ごす時間の多いこの季節、夫婦の関係をよく話し合われてみてはいかがでしょうか。


弁護士:神林佳吾
(神林佳吾法律事務所代表)

1980年東京生まれ。95年渡豪、2004年クイーンズランド大学経営学部・法学部、同大学大学院司法修習課程修了後、弁護士登録。以後14年以上にわたって訴訟を中心に応対

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