家族でシドニーに海外赴任、どんな住宅保険がありますか

Q 家族の赴任でシドニーに移住してきました。シドニーは比較的治安が良いと言われる一方で、やはり日本に比べると盗難被害なども多いとも聞きます。そこで住宅保険についてうかがいたいのですが、どのような内容のものがあるのか、どうしたら手配できるのかを教えてください。
(30歳主婦=女性)

 

A 海外赴任での滞在ですと、住居も賃貸となるかと思いますが、賃貸で入居している場合は通常建物に対する保険はオーナーさんがカバーしているのが一般的です。そのためテナントとしては、ほとんどの場合は自前の家財資産に対する保険を心配するだけで良いでしょう。

保険のかけ方として大きく分けてリステッド・イベンツの保険とオール・リスクスの保険があります。リステッド・イベンツでは保険約款で定められている主に以下のような事故による損害のみをカバーします。

・ 火災、落雷、爆発、地震
・ 盗難
・ 第3者の悪意の行動(例:侵入して家財を壊したなど)
・ 貯水タンク、水道管、溝の破損、漏れ、放水などによる損害
・ 暴風、騒じょう
・ 飛行機の墜落、車の衝突、樹木の倒破
・ 風水災。ただし、開口部からの浸水などはカバーしない。また、建物の欠陥、メンテナンス不備による雨漏りはカバーしない

オール・リスクスの保険では保険約款に定められている主な除外項目(例えば戦争、テロ、洪水、浸食、老朽化など)以外の損害はすべてカバーすることになり、より広範囲な補償を受けられる代わりに保険料が高めに設定されています。しかし、洪水については数年前のブリスベンの洪水以降、自動的に保険対象とする保険会社も増えてきているのも現状です。

いずれのタイプの保険であっても手配をする際に保険対象額を設定することになりますが、その際に注意しなければいけないのは、家財全体の再調達価格を算出する必要がある点です。再調達価格の算出は、対象が例え10年前のテレビであっても、今同等のテレビを買ったらいくらになるのかを減価償却を考えずに価格を設定します。逆にパソコンなどは数年前より随分値段が下がってきていますので、昔の価格のまま保険を付けていると結果的には余分な保険料を支払っていることになります。また、日本から持ち込んだ物については、日豪間の価格差も考慮する必要があります。

さらには、貴金属や宝石、美術品や骨董品など、一般的な価格設定がない物については保険手配時に申告した金額が証明できるような鑑定書もしくは購入時の領収書などを準備しておく必要があります。そういった書類が一切ない場合、実際に保険金求償をする際には保険会社ともめる原因の1つとなります。

上記貴金属や時計、カメラなどは通常盗難被害に遭いやすいハイリスク・アイテムと見なされ、一般的には補償額に制限がかかることが多いです。そういったハイリスク・アイテムについて実際の価値の満額まで保険でカバーしたい場合には、事前に保険会社に物の詳細と価格について申告し、特記アイテムとして登録しておく必要があります。

住宅保険の手配に際しては個別のセキュリティー状況や住環境によって保険料も大きく変わりますので、専門家のアドバイスを求めるのが良いでしょう。


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斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア ジャパン保険サービス部

 

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

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