日本に帰任前の各種保険の解約や手続き方法

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Q この度、4年の任期を終えて日本へ帰国することになりました。そこで、オーストラリアで個人的に手配をしていた各種保険の解約や手続きについて、気を付けなければならない点について教えてください。
(44歳駐在員=男性)

A 個人的に手配をしていた保険ということで、主に自動車保険、家財保険、医療保険が考えられるかと思いますので、今回はその3種についてのお話をします。

<自動車保険>

帰任に際して車両の売却を考え、それに伴い節々の小さい損害の修繕をすることをご検討中かと思います。そこで注意しなければならないのは、自動車保険を利用する場合、明確な保険事故に起因した損害であることを1つずつ証明することが求められる点、そして、1つの事故に起因した損害を保険クレームとして処理するごとに免責額の支払いが発生する点となります。つまり、いつの事故か分からないけれど車両の前方と後方にあるへこみを、保険を使って修理したいという場合には、いつ、どのような原因で損害が発生したのかを、保険会社に申告することが求められます。前方と後方の損害が別々の原因によるのであれば、それぞれに免責額を支払う必要があるので、結果的に高くついてしまうこともあり得るため注意が必要です。

また日本の保険会社は一般的に海外での付保歴(言い換えれば等級の積み重ね)を勘案して引き継ぐことが難しい場合があります。よって通常は、駐在に出られる前に、日本で手配していた保険に対する中断手続きを取り、帰国後にそれを復活させることで引き続き等級による割引率の適用を受けることができるようになっています。しかしながら豪州での付保歴を引き継いでくれる保険会社もありますので、その場合には当地の保険会社に無事故割引証明書類(No Claim Bonus Certificate)の発行を依頼されるのが良いでしょう。

<家財保険>

長年住み慣れた住宅を引き上げるに当たり、家具を動かした際に後ろの壁や床などに思いもよらぬ損害を発見することがあるかもしれません。通常の豪州における商慣習では、事前に支払われているボンドの中から修繕費用を工面するのが一般的だとは思いますが、前述の自動車保険同様に、明確な因果関係と事故の詳細を確認できる損害については保険対応が可能な場合があります。繰り返しになりますが、長年をかけて徐々に摩耗、もしくは老朽化したようなケースは対応が難しいですが、例えば子どもが勢いで壁に穴をあけてしまったなどの、いつ、どのような原因で損害が発生したかを明確にできる場合はその限りではありません。同時に複数の損害に対して保険クレームを上げる場合、都度免責額の支払いが発生する点は上記の自動車保険同様となりますので、その点にも留意してください。

<医療保険>

特に注意する点はありませんが、帰国間際に治療を受けた場合、その治療に対する保険金を日本へ送金してくれる保険会社は非常に少ないので、時間に余裕をもって対処されるのが良いでしょう。


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斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

 

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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