車の衝突事故で後日にむち打ちが。万が一のいい保険は?

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Q 先日、車を運転していたところ、信号待ちで後ろから衝突されました。幸い大事には至らず、特に治療を受けるようなけがをすることはなかったのですが、もしも後日にむち打ちなどの症状が発生した場合には、どのような保険の対応をする必要があるのでしょうか。
(18歳学生=男性)

A オーストラリアの車両対人賠償責任保険は州により取り扱いの方法が異なります。以下は主にNSW州についてのご説明をします。

日本と違い、対人賠償責任における任意保険が存在しないオーストラリアでは、CTP(Compulsory Third Party Insurance)もしくはGreen Slipと呼ばれる自賠責保険でそのリスクをカバーしています。通常、自賠責保険は第三者賠償責任保険ですので、事故の原因・責任を持つ側が手配している保険での対応となりますが、保険金求償をするに当たっては以下の2つのステップがあります。

① 事故が軽微な場合

Accident Notification Formを使用して、過失の有無に関わらず5,000ドルまでの費用について、自動車事故でけがをした運転者、同乗者、歩行者などの医療費用及びリハビリ費用、収入補償をカバーします。

自分の過失でけがをした場合(もしくは責任を負うべき有過失運転者が特定できない場合)の費用は通常その補償対象範囲に含まれませんが、救済処置的に5,000ドルまでの保険金支払を受けることができます。実際の手続きとしては以下の通りです。

1. 警察への通報とレポート番号の入手

2. 有過失運転者の自動車登録番号(Rego No.)及びCTP保険の元受け保険会社詳細の確認

3. 医師からの診断書の入手

上記については、事故後28日以内に有過失運転者が加入しているCTP保険の元受け保険会社に対して、必要情報をそろえた上で求償手続きをする必要があります。なお、事故のけがによる休業に伴う収入の損失についても保険適用を受けることができますが、こちらについては最長で6カ月分が対象となります。

②上記以上の対応が必要な場合(費用が5,000ドル以上かかる場合)

Motor Accident Personal Injury Claim Formを使用して、上記以上の費用を求償できます。こちらは必要かつ妥当と判断された医療費を上限なくカバーしますが、基本的に事故の過失が自分にはない、もしくは有過失運転者として該当する人がいない場合にのみ求償が可能となります。また、上記ステップ①を何かしらの理由で事故後28日以内にできなかった場合や、有過失運転者を特定できなかった場合にも対応します(いずれにしても警察への報告は事故後28日以内に行うことが求められます)。手続きにおいて求められる情報と手順は上記とほぼ同様となりますが、所定のフォームを期日内(事故後6カ月以内)に提出する必要があります。

一般的には①の処理を行った後、状況に応じて②に移行するという流れになりますが、いずれにしてもできるだけ早めに行動を起こすことが、保険処理でもめないためには重要です。

なお、基本的に自動車事故の際に、互いの素性がはっきりしていてけが人がなく、車が自走できる状況であれば、現場に警察を呼ぶ必要はありませんが、人身事故の場合は前述の通り、その限りでありませんのでご注意ください。


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斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

 

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。

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