重なる医療保険料アップ。駐在員向けの保険プランを再アレンジするのに必要なポイントとは?

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日系企業の現地採用担当者として勤めています。昨今のビザ制度の変更に伴い、ビザ申請要項の一部である駐在員向けの医療保険についても見直しを検討していますが、最近頻繁に民間医療保険の保険料アップのニュースが取り沙汰されているのをよく目にします。その点も踏まえて効率的な保険アレンジを検討する際のポイントを教えてください。(40歳アドミン・マネージャー=男性)

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オーストラリアの民間医療保険(Health Fund)は、政府所有であったり非営利団体であったりと、純粋に利益を追求する民間企業とは異なる立場を取るケースが多いですが、ここ数年は毎年議論を巻き起こすほどの保険料値上げが行われています。今年の4月にも平均で3.95パーセントの値上げがなされましたが、それでも2000年以降の毎年平均である5.35パーセントと比べると約20年の中で一番値上げ率が低かった年となります。

そういった中でいかに効率的に保険手配をするかは非常に重要ではありますが、加入者の状況によって何に重きを置くかでポイントが異なってくると言えます。一般的な民間医療保険では入院費用などをカバーする「Hospital Cover」と歯科治療その他などをカバーする「Extra Cover」及びその組み合わせのパッケージ商品に分かれており、それぞれの補償範囲の多寡や免責額の設定などで保険料が算出されます。その内容を検討する際には単身か家族持ちか、子どもがいるならその年齢層はどうなのかによって、どこまでをカバーする保険を買うかを検討するのが良いでしょう。

一方、ビザ申請の条件として医療保険への加入が求められている駐在員の場合は、一定の補償内容を満たした保険を継続して持ち続けることが求められていますので、それを踏まえた上での選択が求められます。従って、会社で全額補償をするような特殊な場合を除いて、ビザ要項を満たすだけの保険に形だけ加入するのではなく、当地での生活に伴い必要となるだろう医療行為が安心してカバーされているような補償をも求めることが肝要で、妊娠・出産関連費用や歯科治療費用などの追加カバーを検討するのが重要でしょう。

その際に合わせて比較検討すべきは、免責額の設定がどうなっているのかという点が挙げられます。保険商品によっては年間を通じて、もしくは1クレーム毎に幾らかの免責額が設定されており、その分は自己負担となります(言い方を変えれば、その金額分までは保険補償を受けられないことになります)。当然、この設定が低い、もしくはない方が保険を使う場合は有利となりますが、その分保険料が高い場合もありますのでバランスを考えるのが重要でしょう。

また現地でのサポート体制についても重要な検討事案になります。例え安くて補償内容の見栄えが良い保険に加入しても、いざという時に保険会社側の対応が悪くて保険金の支払いを受けるのに時間が掛かったり、海外にある担当窓口のやり取りが必要となるなど非常に手間が掛かるようですと困りものです。

更にはキャッシュレス・サービスが受けられるか、受けられるとしても対象となる医療機関が充足しているかという点も重要です。また、加入後すぐには保険適用を受けられない待機期間がどの治療に対して設定されているか、それによって今までいた駐在員と新規着任者との間に不公平感が出ることもありますので注意が必要です。

いずれにしても自身の境遇に合わせて無駄のない、賢い保険手配を検討するのが重要と言えるでしょう。

*オーストラリアで生活していて、不思議に思ったこと、日本と勝手が違って分からないこと、困っていることなどがありましたら、当コーナーで専門家に相談してみましょう。質問は、相談者の性別・年齢・職業を明記した上で、Eメール(npeditor@nichigo.com.au)、ファクス(02-9211-1722)、または郵送で「日豪プレス編集部・何でも相談係」までお送りください。お寄せいただいたご相談は、紙面に掲載させていただく場合があります。個別にご返答はいたしませんので、ご了承ください。


斉藤 大(さいとう だい)
エーオン・リスク・サービス・オーストラリア
ジャパン保険サービス部

世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日系企業顧客の法人・個人保険アレンジ、事故処理などを担当

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