引っ越し荷物に対する輸送保険の手配について

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Q: 会社の辞令により、シドニーから日本への帰任が決まりました。駐在生活も3年半となり、それなりに身の回りの品も多くなりましたが、一部については持ち帰りたいと考えています。そこで、引っ越し荷物に対する輸送保険の手配について、また実際に損害があった場合の対応方法について教えてください。
(48歳男性=会社員)

A: ご質問に対し、まずは輸送保険を手配する際の注意事項についてご説明します。

保険手配をするに当たって最も重要なポイントの1つとして、「どのように保険金額の設定をするか」が挙げられます。これについては、家財の市価を基にする場合と、再調達価格を基にする場合から選択できるケースもありますので、事前に保険会社へ確認する必要があります。

いずれの場合にも、パッキング・リストに基づいて引っ越し荷物全体の金額を保険対象にすることが重要です。一部だけを対象とするような手配をしますと、万が一の損害時に十分な保険金額を受け取ることができない場合がありますので、注意が必要です。

保険の補償対象については、手配方法によって異なりますが、一般的にはSpecified EventsおよびAll Risksの2通りがあります。Specified Events の場合は火災、水災、衝突、紛失などが主な対象事案となり、All Risksでは文字通り除外扱いの事案を除くほとんどの事案による損害が対象となります(戦争、テロ、外傷のない電化製品の故障、老朽化などは対象外となります)。

保険の期間は手配時に申告している日付からですが、実際に保険がスタートするのは、荷物をトラックなどに載せるために動かし始めてからとなります。その後の移動中は当然ながら継続して保険対象となり、最終目的地に荷物が到着した時点で保険が切れることになります。

つまり、一般的には通常の輸送中および搬入・搬出の間でも保険扱いで対応できますが、引っ越し途中で荷物を倉庫会社などに一時保管する場合には、通常の輸送保険では自動的に対応できません。必要があればその間もカバーできるように特約を付けて対応することになります。

保険料の算定は、どのような家財(壊れやすいものかどうか)をいくら分まで補償対象にするか、パッキングは専門業者が行っているのかといった情報や、輸送の距離や方法などを基に行われます。事故発生に伴う保険金請求時に一定額を自己負担とする免責金額の設定をすることにより、保険料コストの軽減を図ることもできます。

重要なことは、自身の状況を踏まえて、いかに有効かつ効率的に保険手配をするかということです。

 

では、実際に荷物に損害が発生した場合ですが、まずは損害が起きた旨を保険会社にできるだけ早く連絡することが重要です。その後、損害についてのレポートを書面にて輸送会社へ挙げます。

場合によっては保険会社より査定人が派遣されることもありますので、その際には先方の依頼に沿って迅速な対応を取ることが望ましいです。

なお、今回の説明はあくまでも一般的な例となりますので、ご自身の保険を手配する際には専門家のアドバイスを仰ぎ、効率的に対応されることをお薦めします。


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斉藤 大(さいとう だい)

エーオン・リスク・サービス・オーストラリア・ジャパン保険サービス部
世界最大手のリスク・コンサルタント会社豪州法人の日系専門部署で日々日本人顧客の法人・個人保険アレンジ、クレーム処理などを担当。

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