【完全保存版】タックス・リターン特集2016(やってみよう編)

タックス・リターン特集2015/16

オーストラリアの会計年度は7月1日から翌年の6月30日です。7月を迎え、会計年度が変わるとタックス・リターンの申告スタート。今回は2015/16年度のタックス・リターンに加えてスーパーアニュエーションの情報、国税局(ATO)の動向について解説していきます。 取材協力・文=甘利知子(登録税理士・公認会計士、甘利鳥居会計事務所)

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実際にタックス・リターンの準備をしましょう

準備に必要なものは以下が主なものです。

・ 戻りを受け取るための銀行口座の情報―BSBとAccount Number、口座名義

・ PAYG Payment Summary(別称Group Certificate)-働いた全ての雇用主からもらう必要があります

・ 会計年度内に受け取った銀行の利息総額-1ドルから申告が必要です

・ その他の収入としては、株の配当、投資ファンドからの記録、不動産投資やビジネスの収入内訳など

・ 永住者の場合、Private Health Insuranceに入っていればそのステートメント

・ 必要経費の証拠(レシートなど)

・ 配偶者の収入(記録として入れる必要があります)

・ パスポートとビザの証明-Medicare保険料免除の場合(メモ4参照)

<メモ3>

PAYG Payment Summaryは雇用主が7月14日までに発行し、従業員に渡すのが義務になっています。雇用主はその届けを税務署に8月14日までに提出します。税務署は受理後、データベースに入力します。すると、登録税理士はお客さんとして契約した人のデータを見ることができますので、PAYG Payment Summaryをもらい損ねても、調べることができる可能性があります。

<メモ4>

Medicare保険とは国民健康保険です。課税収入の2%が保険料として計算されます。テンポラリー・ビザでMedicareの資格がない場合は、保険料を免除してもらうことができます。このためには所得税申告前にMedicare Officeに免除証明書を発行してもらう必要があります。

申告方法と申告期限

申告方法としては、以下のものがあります。

・ 登録税理士(Tax Agent)に依頼する
・ myTaxで自分でオンライン申告

登録税理士に頼むと料金が発生しますが、正しいアドバイスを受けることにより戻りが多くなるなど、時間の節約にもなります。また、その料金は翌年のタックスリターンの際に経費として計上できる上、税務署との間にワン・クッション置くことによって、後日税務署とやり取りが必要になった場合に安心です。「myTax」という政府のオンライン・システムは、多くの人に使われるようになっています。申告内容がシンプルで、税務署から直接連絡が来ても対処のできる人には良いと思われます。ただし、他人に頼ってこのシステムを使うのは危険です。Tax Agentの資格のない人は、料金をとって代行することはできません。

所得税申告期限

自分で申告する場合は10月31日まで。登録税理士から申告する場合は大抵翌年の5月15日まで延長になりますが、過去の申告が滞っていると延長できません。

申告期限を過ぎてしまったら?

申告の義務のある期間について申告できていないものは、もう出せないのではなく、一刻も早く出す必要があります。こうした場合は自分で出さずに登録税理士に依頼しましょう。知らないうちに罰金が科せられていることもありますのでご注意を。

タックス・リターンの申告をすると

通常2週間ほどでNotice of Assessmentという結果通知が郵送されます。2週間というのはあくまでも目安で、早い時もあれば、遅めの時もあります。ATOは4週間以内は通常期間と見なしています。戻りのある人は銀行に振り込みがされます。支払いの必要な人はNotice of Assessmentが請求書も兼ねています。

登録税理士を通して申告をした場合、税理士事務所が郵便を受理する場合と、直接自分宛てに送られる場合がありますが、税理士が受理する場合は必ずNotice of Assessmentのコピーをもらうようにしてください。Notice of Assessmentは本人証明の書類として使える大切なものです。あるいは申告時の住所から引っ越してしまって受け取れないようなことがないように気を付けましょう。タックス・ファイル・ナンバーを悪用する詐欺もありますので注意が必要です。

また、登録税理士を通して申告した場合の戻りは、直接自分の口座に受け取る方法の他に、一度税理士の特別口座で受理し、そこから自分の銀行口座に送金してもらう方法があります。オーストラリアに銀行口座がない場合など、外国送金も頼めるので便利です。その場合、代行料金も戻りから取ってもらえるので、先払いせずに済むのも魅力です。

申告が終わって入金がされた後も、PAYG Payment Summaryなど申告時に必要だった書類や、Notice of Assessmentは大切に保管しましょう。スキャンの保存でも大丈夫です。基本的には5年の保管となります。

スーパーアニュエーションとは?

スーパーアニュエーション(以下スーパー)も日本のシステムとは違うので、分かりにくいですね。スーパーは個人の積立年金です。1カ月の給料として450ドル以上の収入があった場合は、雇用主が給料の9.5%をスーパーファンドに払い込むことになっており、これについては従業員のビザの種類は関係ありません(一部例外ビザあり)。ファンドでは預かっている資金を運用して増やしていきますが、経済状況により、減る場合もあります。

スーパーファンドの口座は自分のものです。銀行口座と同じように自分で管理する必要があります。まだファンドを持っていない場合、雇用主がファンド口座を開設してくれるのが一般的です。自分で開設して雇用主に振込先を指定することもできます。雇用主が開設してくれた場合は、ファンド名とメンバー・ナンバーを確認してください。

通常は6カ月に一度、ファンドからステートメントが送られてきますので保管をしておいてください。一度スーパーのメンバーであることが確認できたら、転職するたびに、新しい雇用主に自分のファンドを指定してそこに振り込んでもらうことができます。新しい雇用主が使っているファンドに新たに口座を開設する(ことに同意する)のであれば、既にあったファンドから新しいファンドに残金を動かす手続きをしましょう(Transfer、Consolidate、Rolloverなどと呼びます)。

これは本人がファンドに依頼をします。ファンドではそれぞれ管理料を取りますので、常に1つのファンドにまとめておいたほうが賢明です。ファンドはたいていの場合、ネットで自分のファンド口座にアクセスできます。住所変更や残高の確認ができますので便利です。

永住者にとってのスーパー

スーパーは老後を支えるために大切なのはもちろんですが、税金面で優遇があるので、それを上手に利用することによって、永住者にとっては税金の節約にもなります。スーパーの税金は15%です。所得税は最初にありましたようにスライド式に上がっていきます。自分の給料からスーパーを余計に入れてその分給料の額面を減らすことによって、所得税を減らすことができます。これはSalary Sacrificeと呼ばれています。

また、個人事業主の場合は9.5%にこだわらずにスーパーに入れた分を収入から控除して申告することができます(条件あり)。しかし、これらの優遇措置は無限には使えないように上限が設けられていますので、注意が必要です。

16年の予算案でスーパーに関するルールが大きく変わっています。今まで個人・パートナーシップ事業主に限られていたスーパーの税引き前の振込みが、給与所得者もできるようになったり、税の優遇の枠が変わったりしています。スーパーは間違えると後が大変ですので、専門家にご相談ください。

ちょっと役立つスーパー情報

政府は低収入の人のスーパー積み立てを助けるために補助金や税控除をしてくれます(今号が出る時には7月に入ってしまうので、15/16年度には間に合いませんが、今後の参考にしてください)。

① 仕事をしていて所得が5万454ドル(15/16年度基準)未満の場合に、スーパーに自分で追加積立金を払い込むと政府がその半額までをスーパーに足してくれます。これは、Co-Contributionと呼ばれています(注:補助は500ドルまで、他にも条件あり)。

② 配偶者の所得が1万3,800ドル未満の場合、配偶者のスーパーに3,000ドル入れると、最大540までの税金控除が可能です(17年7月1日から、所得3万7,000ドル未満になる予定)。

これらは、振り込み方法を間違えないよう、振り込む前にファンドに確認してください。

テンポラリー・ビザのスーパー

スーパーは定年後の生活を支えるシステムなので、通常は早く引き出せませんが、テンポラリー・ビザの人は、オーストラリアから出国して、テンポラリーのビザが失効すると、引き出すことができます。ただし、ファンドに振り込まれた時点で税金が15%引かれ、引き出し時に38%取られますので、振り込まれた金額の半分くらいが戻ってくることになります。引き出しの手配は自分でするか、代行業者に頼むことができます。スーパー引出し代行を引き受けている税理士の場合、そこで過去のタックス・リターンもしていると、引き出しがスムーズになるようです。

<メモ5>

テンポラリー・ビザが失効して、引き出しの資格ができても、手続き前に別のe-Visa(観光を含む)などを取ったりすると、今度はそのビザが失効しないと(または失効させないと)引き出し申請はできませんのでご注意ください。


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