【特集】快適なシニア・ライフを求めて②

快適なシニア・ライフを求めて

不動産投資 取材協力=エイペックス不動産/パトリシア・パクさん

不動産投資の基本

不動産投資とは

自分の財産を保ちながら、増やしていくには投資という方法がある。投資の方法はさまざまで株や金、赤ワインなどを購入する人もいるが、膨大な時間を要したり予測不可能なリスクを考えたりすると、無期限の不動産に投資する方が安心だろう。

不動産投資というのは、ホーム・ローン(以下、ローン)を組んで投資した不動産物件に居住者やテナントを入れ、その家賃収入によってローン返済していくことで、将来自分の物件となった後も財産が増えていくことを指す。生活に負担を掛け過ぎないよう不動産投資することが良い投資であり、本来の不動産投資のあり方と言える。

不動産投資におけるメリットとデメリット

メリット

  1. オーストラリアの人口増加は著しく毎年20万人が移住しており、現在シドニー、メルボルン共に人口約500万人だが、2050年には両都市共に800万人になると推定されている。人口増加=住宅の需要であり、現実的に住宅不足が続いている状態だ。【表1】から2011~16年の5年間で、国民平均収入が微増なのに対し、物件価格の上昇率は異常で全く追いついていないことが分かる。これまでの同国の不動産を見る限り、物件価格は10年間で約2倍(URBISデータ分析会社より)で、下がる時期もあるが、上がる時期の方が長く上昇率も高いので、結果的に上昇している。
     このことから、なるべく早い(若い)時期から不動産を長く持ち続けることが大切となる。
  2. シニア・ライフにおいても、一番理想的な収入は不労収入(Passive Income)だ。不動産物件を持っていれば、家賃収入が得られる。賃貸料も年々上がっており、空室率2%以下と貸し手市場であることも強みとなるだろう。
  3. 物件価格がますます高くなっていることで、現在の子ども世代は不動産物件の購入が不可能に近いため、不動産を保持することで子どもたちへ資産を残してあげることができる。
  4. オーストラリアでは税制上、投資不動産物件の減価償却が認められており、税金控除を受けられる。ただし、中古物件は年数が古いほど減価償却が低くなるので、購入の際は税制上、新築の方がお薦めと言える。
  5. 特にシニア世代は貯まった年金で不動産を購入することで退職後の家賃収入、キャピタル・ゲイン税は非課税となる。退職前であっても収入、キャピタル・ゲイン税は15%と一般所得よりはるかに安い税率が適用される。年金で物件を投資するため20代や30代の人たちにはお薦めしないが、プレ・シニアの人たちであれば、年金を利用することで節税できる。ただし、セルフ・マネジメント・スーパー・ファンド(SMSF)の専門会計士に頼むのが安心だろう。
  6. 子ども(18歳以上)がローンを組むことで節税、お金の教育にもなる。現在の子ども世代が不動産投資用の資金を貯めるのには困難がある。そこで子どもに購入希望不動産の頭金を貸し付けることで、ローンが下りれば即物件購入が可能となる。年齢的にローンを組むのに苦労するだろうが、子ども世代が働いていて収入証明があり、貸付条件を満たせばローンが組める。
表1 住宅購入の一般的な手順
表1

基本的に不動産物件を持つことにデメリットはないが、注意事項として以下の点が挙げられる。

注意点

  1. 物件を選ぶ際、ロケーションの選別が一番重要となる。投資用なので、自分が住むのではなく人に貸すことを念頭に置き、安く買えるからといって借り手のいない場所にしないようにする。居住者やテナントに不人気な不動産を購入しても、居住者、テナントが入らないと苦労する。もちろん余裕があれば、毎週現金でローン返済して不動産を長く持つことで結果的に価格は上がる。しかし、生活に影響が出ないように注意が必要だ。
  2. 自分の予算に合った物件を購入すること。でなければ、手持ちの現金を全て使ってしまい、緊急時にお金が足りない状況となってしまうだろう。
  3. 物件価格の暴落(予測のつかないテロや大地震などの災害)が万が一発生したら、期待していた利益が得られない可能性もゼロではない。

人気の不動産の種類

安全なセキュリティ・システムと庭の手入れが不要な「アパート」が人気だ。予算に合ったアパートにすると家賃とローンの差額が少なく、現金負担も少ない。アパートの人気は上昇しており、投資するにはお薦めだ。

例えば一軒家の場合、300万ドルの4ベッド・ルーム(BR)を購入すると毎週の家賃は約1,200ドル。利子率4%で計算すると1週間のローン返済額が約1,800ドルとなり、家賃収入を差し引いて毎週の支払い金額は約600ドルに加え諸経費が掛かる計算となる。アパートの場合、例えばシドニーCBDで90万ドルの2BRユニットを購入すると週約750ドルのレントで、利子率4%で計算すると毎週のローン支払いは約550ドル。諸経費を差し引いて現金収入が見込める可能性もある。このことからもアパートは人気投資先の1つとなっている。

不動産投資のチェック・ポイント

不動産投資をするに当たって、確認しておきたいポイントがあるので、以下を参考にして不動産の購入を考えてみてはいかがだろうか。

  • 都市中心部との距離
  • デベロッパーの知名度
  • 政府のインフラ・プランの近くにあるかどうか
  • 交通の利便性
  • テナントが見つかりやすいロケーション
  • 負担できる価格かどうか

手続きから売却まで

不動産購入までの流れ

まず購入希望物件の価格の最低20%である頭金を用意する。また、不動産購入の検討から実際に購入するまでは図1の通り。

図1
図1

購入した物件を売却したい場合

信頼できそうな不動産会社を見つけ、自分の物件と似た条件の不動産マーケット分析をしてもらい販売価格を決める。販売が決まったら弁護士に販売契約書を作成してもらい、不動産会社とはエージェンシー契約を結ぶ。本格的にマーケティング活動(インターネット広告、チラシの作成、インスペクション・スケジュールの調整、オープン・ハウス)を開始し、希望金額を提示した見込み客がいたら販売となる。

NSW州で注目のエリア

物件価格が成長中のエリアは既に価格が高いので、将来性の高い地域を選ぶのが良い。例えば、10年前は2BRユニットで30万ドルでも高すぎると批判されていたシドニー南部のグリーン・スクエアが、現在1BRでも70万ドルを超える。ライト・レールと新たな電車路線がそろい、大学や空港に近く生活しやすい便利な立地となりまだ高くなるだろう。

現段階でそうしたロケーションの1つにシドニー・オリンピック・パーク周辺が挙げられる。60万ドル以下で1BRが購入でき将来、地下高速道路(WestConnex)開通後は物件価格上昇が大いに見込める。また建設予定の新空港近くのキャンベルタウンや、ペンリス、リバプールなども注目の場所だ。他にもブラックタウンやボタニー、ウォータールーもお薦め。

マーケット・リサーチなどは買う直前ではなく、早めに開始し資金を準備しながら良い物件が現れた時に、すぐにアクションを起こせるように準備をしておくことが不可欠だろう。


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