【雇用主必読】国税局への情報共有の大変革シングル・タッチ・ぺイロール

PR 雇用主必読

国税局への情報共有の大変革
シングル・タッチ・ぺイロール

2018年7月1日の新会計年度から、雇用主の国税局に対する給与管理の報告の仕方が大きく変わった。「シングル・タッチ・ぺイロール(Single Touch Payroll/STP)」と呼ばれるオンラインでの報告のシステムが強制施行されたためだ。強制施行されたと言っても、その新システムの概要や必要な対応などをまだ十分に理解できていない雇用主は多いのではないだろうか。今後のタックス・リターンにも大きな影響を与えるとも言われているシングル・タッチ・ぺイロールについて、シドニーの個人会計事務所e-solutions and consultingの近藤レイコ氏が詳しく解説する。

シングル・タッチ・ぺイロールとは

シングル・タッチ・ぺイロール(以下、STP)とは、個人の給料、スーパーアニュエーション(以下、スーパー)、源泉徴収税の情報を国税局(ATO)に送るための新たな方法を指します。

2018年7月1日より従業員数が20人以上の雇用主が、STPによってそれらの情報をオンラインでATOに報告する義務が発生しました。STPの導入で、雇用主は従業員に給料を支払う度に、関連情報を全て税務署に直接送らなければならなくなりました。従業員が20人未満の雇用主については、19年7月1日からの開始となり、1年間の猶予期間があります。

この給与管理のシステムの変更は、従業員の給料に関する情報をATOがリアル・タイムに受け取るようにすることを目的としています。雇用主にとって源泉徴収やスーパーの支払い義務そのものが変わるわけではありませんが、ATOは、「通常の給与」(Ordinary time earnings)やスーパーの情報を常に把握できる環境になります。ただ、ATOが情報をリアル・タイムで受け取っていると言っても、STPで報告できないものもあります。それは、以下の通りです。

  • 一定の利息が生じるような投資や年金からの支払い
  • 年金からのまとまった支払い
  • 社会保障からの支払い
  • 疾病や事故による支払い
  • ABNを持たない状態での支払い
  • 非居住者への利子、配当金

雇用主はSTPの導入に対応するため、会計ソフトを変更する必要に迫られています。ただ、STPに間に合うように経理のシステムが整っていない場合は、新システムによる報告を始められる日付を延ばすことが許されています。雇用主がこれまで送る必要がなかった情報をATOに間違えて送り、それを基に税務署からの監査が増えることが予測されるので、それを防ぐための対策です。

STP導入の背景

STPが導入されることになった背景には、ATOが税金の源泉徴収やスーパーを支払っていない企業の情報をリアル・タイムで把握する狙いがあります。STPが導入されると、従業員の受給資格に合った給与の支払いがなされているかを常につかめるだけでなく、スーパーを支払っていない雇用主を取り締まることが簡単になると期待されています。

一方で、従業員にとっては上記の情報をATOにリアル・タイムで知らせているので、税金が引かれていなかったり、スーパーを支払われていない時は、従業員が自ら雇用主に問い合わせることが可能になりました。

このリアル・タイムの情報共有は、法律を順守していないビジネスを摘発することを容易にするでしょう。

将来予定されている話

リアル・タイムの雇用情報の共有は、社会福祉省(Department of Human Services)と連携したサービスの向上が期待されます。また、移民省に直接情報を送ることにより、ビザと給料の関連が可視化され、法律の順守が求められます。

何がどのように変わるのか

STPの導入によって、雇用主と従業員の双方にとって変更になる点が幾つかあります。

今年の6月30日まで一部の雇用主は、従業員全員の給料と源泉徴収税の合計だけをATOに毎月、または3カ月に1回など、それぞれで決めていたサイクルで報告していました。それがSTP導入で、給与の支払いを行う度に個々の従業員の関連情報を全てATOに報告することになりました。個々の従業員のスーパーの情報をATOへ報告する必要が以前はありませんでしたが、それも報告しなければならなくなりました。

雇用主にとっての大きな変化としては、源泉徴収票を発行する義務がなくなったことが挙げられます。ATOが常に情報を把握しているためです。

また、従業員はこれまで雇用主側に任せていたタックス・ファイル・ナンバーとスーパーの情報のATOへの提出を、個人がオンラインで行えるようになりました。

タックス・リターンへの影響

先述の通り、STPによって雇用主が源泉徴収票を発行する必要がなくなったため、これに応じて従業員のタックス・リターンの対応が変わると考えられています。

既に触れてきた通り、ATOにリアル・タイムで給料、源泉徴収税とスーパーの情報が共有されるため、ATOから新会計年度の早い段階で、タックス・リターンの報告の行動が促される可能性が高くなっています。また、今まで報告してこなかったあらゆる情報をATOが把握できるようになるため、法令を順守していないことへの罰金や監査が増えることも考えられています。

雇用主は厳格な法令順守の必要に迫られますが、ATOへの報告がオンラインで自動化されるため、今まで必要だった経費が不要になるメリットもあります。

雇用主に求められること

STPへの対応がまだできていない従業員数20人以上の雇用主、そして来年度からSTPの対応が求められる雇用主は、今後10カ月の間に給料システムの見直しをお勧めします。経理の流れを見直して、早い段階で事業所の情報を会計ソフトに入力できるようしましょう。また、STPに対応していない会計ソフトを使用している場合、対応しているものに早急に変更する必要があります。

以上は、一般的な説明であり、個々の雇用主に対するアドバイスではありません。対応について困っている、また詳細を確認したい場合は、弊社までお問い合わせください。


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