今が買い時 !? 憧れのマイ・ホーム購入計画

今が買い時!?

憧れのマイ・ホーム購入計画

realestate.com.au

近ごろ、オーストラリアの住宅が安くなったというが、今は本当に買い時なのか? 今まで1度もオーストラリアで住宅購入をしたことがない人には、補助金が出るというのは本当? 頭金が少ないと損をする? 憧れのマイ・ホーム購入に向けて、豪州での不動産購入にまつわる知識をしっかり情報収集してみよう。

オーストラリア在住も長くなってくると、徐々に考え始める人が多い不動産購入。将来のことを考えると、賃貸物件のための毎週の支払いをローンに回して資産として残した方がいいのではないか…。だが、不動産購入はその後の人生への影響を与える大きな買い物だけに、事前の情報収集や相場の見極めができなければ、その1歩を踏み出すことは難しい。

そんな私たちのために、日本とは法律も習慣も違うオーストラリアでのマイ・ホーム購入計画に役立つ情報を、3人のエキスパートがアドバイスしてくれた。

■不動産

アドバイザー:
不動産会社「OPIC」
代表取締役 高田裕司さん

今不動産を買うと、得をする?損をする?

不動産購入を考える時、まず心配なのが不動産相場だ。ここ数年、一般的なQLD州の不動産価格は下落していると聞くが、不動産が安くなった現在は果たして買い時なのだろうか?

「これまでに豪州の不動産は、2008年に価格のピークを迎え、それ以降はなだらかに下落してきています。価格が落ちてきているということは、それだけ不動産が簡単には売れなくなってきているということ。ですから、今は買い主としては交渉しやすい時です」と言うのは、サーファーズ・パラダイスで不動産の仲介業を長く務める高田裕司さん。

特に永住権がなくても購入できる新築の在庫物件は、最初に売り出された価格よりもかなり値引きされているケースもあるとか。そのほかの普通の中古物件の場合でも「だいたい、提示価格の10%前後くらいの値下げを目安に値段交渉するとスムーズにいくでしょう」とのことだ。

ただし「この物件、いくらになるかちょっと聞いてくれない?」と不動産エージェントに頼む時は、金額が見合えば契約書を交わす覚悟を持った方がいいそうだ。

「ひやかし程度で金額を相手に聞いてもらうのはやめた方がいいでしょう。エージェントが真剣に交渉して価格を引き出してきたのに、お客様から次のアクションがなければ、本気で買う気のないお客様だと判断され、良い物件はもう紹介してもらえなくなるかもしれません。また、エージェントが紹介する物件を気に入らなければ、ハッキリとそう伝えることも重要です。なんとなくエージェントに悪いからと曖昧な態度でいると、本気で購入する気はないと思われてしまうかもしれません」

だが、日本のバブル以降の大規模な不動産下落の経験を持つ日本人としては、今後の豪州の経済状況や不動産動向も気になるところ。不動産価格が安くなっている現在は、果たして買い時なのだろうか?

それとも今後さらに価格が下落して、今購入すると損してしまうのだろうか?「やはり、買い時というのは欲しいと思った時だと思います。先のことを正確に予測できれば一番いいのですが、それはやはりなかなか難しいですから」と高田さん。

「ただ、イギリス連邦の50カ国を超える国が参加するオリンピックのような競技大会『コモンウェルス・ゲーム』が2018年にゴールドコーストで開催される予定です。こういった大きなイベントで豪州国内はもちろん、海外からの注目を浴びると、それだけゴールドコーストというブランドのマーケットが大きく広がることに繋がります。経済の活性化に伴い、不動産市場もそれに連動する可能性もあります」

不動産購入時に気を付けること

日本とは商慣習や法律の違うオーストラリア。不動産購入時にはどんなことに気を付ければいいのだろうか。

「まずは『realestate.com.au』などのインターネット情報をよく吟味して、良さそうな物件のオープン・ハウスなどにたくさん出かけてみましょう。だんだん慣れてきて、これという物件を見つけたら、実際にその住所へ行ってみて外側からよく観察した上で、その家を担当している不動産エージェントに連絡をして中を見せてもらいます。

ここで1つ理解しておきたいのは、エージェントの手数料というのは、すべて売り主から出ているということ。買い主は普通、エージェントに仲介料を払う必要はないわけです。そうすると、必然的にエージェントは売り主の側に立って仕事をしていることになります」

また、あまり知られていないが、英語での交渉が苦手な場合には気に入った日本人のエージェントなどを見つけて、『バイヤーズ・エージェント』という制度を利用するのも1つ。

「『バイヤーズ・エージェント』というのは、買い主が手数料を払って第三者のエージェントに仲介の手伝いをお願いするというものです。この制度を利用すれば、買い主の立場に立ったエージェントのアドバイスを受けながら不動産を購入することができます」

普通の住宅購入費用プラス仲介手数料がかかるが、この制度を利用すれば、どのローカルの不動産会社の物件でも、日本語で日本の習慣をよく理解した人など、自分の希望する不動産エージェントを通して不動産購入ができるので、たいへん安全で便利だ。

また、自分の希望する日本人などの不動産エージェントにお願いして、売り主の担当エージェントにアプローチしてもらい、エージェント同士が手数料を分け合い、共同で仲介をする「コンジャンクション」という方法を採ることも可能だ。この場合は、買い主の仲介手数料も不要になる。ただし、コンジャンクションができない物件もあるので、その都度エージェントに確認が必要。日本語での不動産購入を考えているのなら、まずは信頼できるエージェントを見つけて、どの方法が一番良いのか相談してみよう。

「さらに、オーストラリアの建築は、日本の施工精度と比較すると、どうしても見劣りするので、細かいところまでよくチェックしましょう。ただし、自分の希望通りの『完璧』な物件というのはまずないと考えておきましょう。どこにこだわり、どこを妥協するのかをよく考えることが大切です」

オーストラリア在住の節目ともなる大きな買い物、不動産の購入。じっくりと物件を吟味して、納得のいくマイ・ホームを手に入れたいものだ。

●購入できる不動産の種類
永住権保持者:どの物件も購入可
ビジネス・ビザ、学生ビザなど期限付きビザ保持者:どの物件も主居住地として購入できるが、帰国時に要売却
日本から購入する場合:新築物件、またはリゾートなどの特定物件のみ購入可

●不動産購入の流れ

下調べ

・住みたいエリアや価格をしぼって、インターネットの不動産サイトなどでたくさんの物件を見る。良い物件があれば不動産エージェントに連絡して中を見させてもらう。
・銀行やローン会社から、プレ・アプルーバルと呼ばれる仮ローン審査でOKをもらっておく。

契約(コントラクト)

・購入したい物件が決まったら、金額の交渉。買い主、売り主の合意がまとまれば、弁護士やコンベイアンサーを通して契約書にサインをする。
・手付け金を支払う(5~10%)。
・契約日からその家屋の保険にすぐ入っておく(契約後から引き渡しまでに万が一火事で家屋が燃えてしまうと、売り主が保険に入っていなかったり、その保険ではカバーしきれない場合のリスクが大きいため)。

契約後すぐ

・ビルディング&ペスト・インスペクションと呼ばれるプロによる建物の検査、シロアリ検査などを行う(問題があれば解約できることを契約書に盛り込んでおいた場合)。
・住宅ローンの本審査が下りる。

引き渡し前の準備

・引き渡し後の電気、電話、インターネットなどの手配をしておく。
・引っ越しの手配をする(引き渡し後は家屋の清掃などが必要なため、余裕を持った日程を組んでおく)。
・大きな財産ができるので、万が一のことを考え遺書を作成しておく。

住宅の引き渡し(セトルメント)

・一般的に30~60日後に引き渡しとなる。
・購入価格の全額を支払う、またはローン会社により全額支払う。
・引き渡しに買い主・売り主は同席せず、買い主は担当エージェントからカギを受け取る。

■法律

アドバイザー:
ハーディング法律事務所 
ハーディング裕子弁護士

弁護士を利用するメリットとは?

日本と習慣が違い戸惑うことの1つに、こちらで不動産を購入する場合は弁護士やコンベイアンサーに契約手続きをお願いしなければならないことがある。

不動産購入時には、その物件の価格以外にも費用が必要になるということだが、弁護士によっては、丁寧に契約書へのアドバイスをしてくれるものだ。「契約書には、建物ならびに害虫検査や、住宅ローンを利用する場合はその融資条件を入れておく必要があります。そのほか、新築物件のユニットの場合は、決済後90日の間に見つかった欠陥については、売り手が費用を負担して修理する、という条項を入れるよう勧めています」と言うのが、豪州で10年の実務経験を持つハーディング裕子弁護士。

「また、契約後のクーリング・オフは法律で5日間認められていますが、購入額の0.25%の罰金が発生するため、やはり購入前に契約内容について十分な弁護士のアドバイスを受けておく方がいいでしょう」

また現在、QLD州では初めて住宅を購入する住民に1万5,000ドルの補助金が出る。ただし、購入物件は75万ドル以下の新築であること、居住用であり投資目的ではないこと、18歳以上でオーストラリア人または永住権保持者であること(パートナーに以前の購入経験がある場合も申請できない)、購入後1年以内に居住し最低6カ月は居住することなど、細かな制限がある。自分の状況で補助金の申請が可能かどうかも、ぜひ信頼できる弁護士に相談してみるといいだろう。

購入にあたっての法的アドバイス

また、オーストラリアでは住宅などの大きな買い物をする場合、万が一に備えて遺書を作成することが一般的だ。「遺言書がないと、たとえ家族でも裁判所へその証明を提出し、遺産管財人申請をすることになり、遺言書があった場合の手続きに比べ費用と時間を要します。なお、物件の名義が自分だけではなく含有名義(Joint tenant)以外の共有名義(Tenants in Common)の場合は、亡くなった方の権利は浮いた状態になり、上記の遺産管財人任命手続きが必要になります」。

購入時の名義などについても、初めから弁護士のアドバイスを受けておくといいそうだ。

■住宅ローン

アドバイザー:
オーストラリアン・モーゲージ・ブローカーズ 
鏡山卓治さん

ローンはいくらまで借りられるのか?

不動産購入にあたり、ほとんどの人が必要となるモーゲージと呼ばれる住宅ローン。各銀行に直接交渉することもできるが、数十社の銀行ローンを1度に扱う便利なサービスを展開しているブローカーと呼ばれる代理人を利用し、各銀行のローンを比較検討するのもお勧めだ。

オーストラリアン・モーゲージ・ブローカーズの鏡山卓治さんは、夜間や週末でも希望の場所へやって来て、ローン申請の手続き代行をしてくれる。もちろん、それぞれの銀行から認定を受けた代行業のため、その契約内容は銀行窓口での契約と全く同じ。ブローカーを利用するからといって、余分な手数料を支払う必要もない。

「銀行によって金利も違い、パッケージなどの割引もさまざまです。魅力的な低金利を掲げる広告を見かけることもありますが、ごく限られた条件でのみ利用できることが多いようです。その細かな条件の確認なども、自分ではなかなか難しいこともありますので、ぜひ相談してみてください」。

そして、一番気になるのがいくら借りられるのかということ。「借り手の状況や銀行によって借りられる金額は大きく変わります。例えば、自営業の方と会社勤めの方の場合では、審査基準が大きく異なります。また、同じ年収でも独身なのか、夫婦なのか、子どもがいるのか、で借りられる金額は異なります。生活費などの出費の算出方法も銀行によって異なるので、借入可能な金額はなかなか一概には言えません」。

もしだいたいの数字を把握したい場合には、インターネットの豪州の検索サイトで「How much can I borrow?」と検索して、計算ソフトを利用してみるといいそうだ。

頭金はたくさん入れるべき?

また、住宅購入時に頭を悩ますのが、頭金の問題だ。「各銀行によって基準は異なりますが、ローン申請時に、物件の価値に対して頭金は最低5%、できれば20%以上資金があることが求められます。頭金が20%以下の場合は、LMI(Lenders Mortgage Insurance)と呼ばれる保険に加入する費用を支払わなければいけません。

例えば、40万ドルの家を購入する場合に頭金が2万ドル(5%)しかなければ、保険料だけで1万ドルを超える費用が必要になります。ところが頭金を6万ドル(15%)にすると、保険料が3,000ドル前後まで下がります」

また、銀行はローンを申請時に、過去に電話料金の不払いがないか、破産経験がないか、過去のローン返済で期日を守れなかったことがないかといったことをチェックするという。

不動産購入の契約書をいったん交わしてしまえば、契約書に条件を盛り込んでいない限り、ローンの申請が却下されたからといって契約を解除することはできない。特にオークションによる不動産購入を考える時には、まず何よりも最初に住宅ローンの「プレ・アプルーバル」と呼ばれる仮審査でOKをもらっておくことが大切だ。

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