【新連載】知っておきたい税とビジネス/タックス・リターンは、日本語で言うところの「確定申告」


タックス・リターンは、日本語で言うところの「確定申告」

「タックス・リターン」というと、お金がもらえるというポジティブなイメージをお持ちの方が多いのではないでしょうか。しかし逆に、足りない税金を払わなければならなくなる人も多くいます。

このタックス・リターン、「リターン」とありますが、法律で義務付けられた、ただの確定申告です。リファンド額や追徴課税額に関わらず毎年申告しなくてはなりません。申告期限は自分で申告される方は毎年10月31日、有資格の登録税理士を通しての申告の場合は(過去の未申告のタックス・リターンがある場合を除き)延長されます。期限内でないと申告できないのではなく、期限を超えると罰金の対象となるだけです。義務ですので、いつかは申告しなくてはなりません。申告義務は一生消えないのです。ATO(オーストラリア税務署)は、以前に比べすぐ罰金を課してきますのでご注意ください。また、収入等がない人も収入等がない届け出が必要です。つまり、オーストラリアで生活している限り、何かしらの税務申告が毎年必要となるということです。

では、なぜタックス・リターンを申告するとお金がもらえることが多いのか。リファンドというのは自分の過払いの税金が戻ってくることをいいます。会計年度内に得た収入の合計に対する税金額と、自分の給料から天引きされた税金額(既に払った税金)の合計を比べ、後者が多い場合は差額が戻ってきます。

逆の場合は追徴課税となり足りない部分を支払う形となります。つまり、たくさん税天引きされればリファンド額は多くなります。しかし、多く税天引きされるということはその分手取り額が減ります。よって、手取り額が多いかリファンド額が多いかという問題で、損も得もしないことになります。

ワーホリの時は数千ドル戻ってきたけど、ビジネス・ビザや永住権を取ったら戻ってこなくなった、という方がいます。これはワーホリの時は多くの税金を給料から徴収されていたからです。それがタックス・リターンで一気に戻ってきたわけです。永住権を取った後は源泉徴収率が低くなり、リファンド額が減ることになります。追徴課税となるのは、銀行利息の多い方、自分のABNで収入のある方、賃貸収入のある方、税法上の非居住者、などです。

実は、少ないリファンドや追徴課税は、悪いことではありません。手取り額が多ければ、そのお金を銀行に預けて利息が得られますが、ATOはリファンドに利息を付けてくれません。自由に使えるお金を先に多くもらえるという意味ではむしろ得でしょう。また、追徴課税ということは、支払うまで国から無利子で融資してもらっていたようなものなのです。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty. Ltd.代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。在豪邦人・企業だけでなく、日本在住の日本人、オーストラリア人の税務遵守に尽力している。

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