【税とビジネス】豪州でビジネス ~ 起業塾~(その2:誰がビジネスをするのか)


豪州でビジネス ~ 起業塾~
(その2:誰がビジネスをするのか)

ビジネスを始める際に考えてみる5W1H。これは先月のコラムのビジネス・プランとも関わります。いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように、他もマーケティングや戦略、ビジネスをするパッションに関わってきますが、今月は最も大事な“誰”を考えてみましょう。

誰がビジネスをするのか。当たり前だ、私だ、俺だ、と思うかもしれませんが、オーストラリアではビジネスをする主体は、以下の4つです。

1. 個人事業主:自分のABNを使う
2. パートナーシップ:パートナーと呼ばれる共同でビジネスをする人と作る合名会社のようなもの
3. トラスト、信託:日本ではなじみの薄い形態、トラストと呼ばれるものをセットアップする
4. 法人:一般的に会社と呼ばれるもの。オーストラリアは全て株式会社

自分がするのはSole Traderと呼ばれる形態のみとなります。法人(会社)を設立する場合は実はビジネスをするのは自分の動かす自分の会社ということになります。1か4が日本人には一般的です。1から4にはそれぞれ利点、欠点があり、どれがベストかは人それぞれ、状況で変わります。そのビジネスの利益、ビジネスをする方のライフ・プランニング、ビジネスをするメンバー、家族構成などのさまざまな要因で適切な形態を考えます。1から4を絡めることも可能です。

小さく始める場合は1の自分のABNを使うSole Traderで始め、その後ビジネスが大きくなってきたら3や4を考慮するのがお勧めです。今年7月から税制改正により1から4の変更が容易になりました。レストランのような比較的最初から大規模なビジネスを始める場合は3と4(特に4)から入るのがお勧めです。

なぜこの「誰」が重要なのか。誰を決めないということは、ビジネスをする主体がいないため、契約も登録も何もできないことになります。ビジネスを買う、お店を開くといった際にも契約が伴ってきますが、そもそもビジネスをする主体がないと契約も何もできないのです。ビジネス売買契約をする、税務申告をする、リースの契約をする、ABNを取る、これらは全てこの誰があって初めて先に進むことができます。

オーストラリアのビジネス支援や始め方というのを目にしますが、決定的に欠けているのがここです。多くは“誰”に注目しません。しかし、この誰を決めないと始められない、または考えずに勢いで始めることで、税金、リスク、ライフ・プランニング、資産形成という点で損をしてしまいます。

さあ、扉を開くのはあなたです。



賀谷祥平
◎競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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