【税とビジネス】ビジネスも人生もサンク・コストの克服にあり

ビジネスも人生もサンク・コストの克服にあり

最近日本で、UFOキャッチャーの景品がわざと落ちないように設定したゲームセンターの経営者が逮捕される、というニュースがありました。

このUFOキャッチャーでよくあるのが、今まで費用を費やしたのだから無駄にしたくない、あと1回やれば取れるかもしれない、とズルズル続けることです。このようになかなか辞められなかったという経験がある人は多いでしょう。同じようなケースで、カジノや競馬、パチンコなどのギャンブルでも今まで費やした負け分を一気に取り戻そうとする人もいます。

見込みのない女性に貢ぎ続け、ここまで頑張ったからもうちょっと口説いてみよう、資格試験の勉強を2年もしてきたからあと少し続けてみよう、など努力したから、お金を費やしたから、今更やめるのはもったいないという状態です。

このように既に使ってしまった費用(お金、時間、労力)で、事業や行為をやめても、どちらにしろ取り返すことのできない費用を「サンク・コスト(Sunk Cost)」とい言います。Sunkは埋没という意味で、埋没費用という意味です。過去の費用で、嘆いても、どうにかしようとしても取り返すことのできない埋没した費用です。よって、これはこれ、と割り切ってやめる勇気が必要となります。続けることで傷口が広がっていくという状態を言います。

実際のビジネスに当てはめてみると、ビジネスを始めたり事業に投資したのは良いがうまくいかない、新しいプロジェクトを立ち上げたけれど思うようにいかない、レストランの2店舗目や3店舗目をオープンしたが売れ行きが悪い、といったケースです。

これらの場合、気持ちではここまで頑張ったから、エネルギーを費やしたから、お金を掛けたから、と続けたくなるのですが、存続することで損が拡大していくという状態です。やめることにより、これ以上続けていくことによって発生するロスを防ぐことになります。

上記のようなビジネスを始めると人件費、レントなどさまざまな費用が掛かります。続けることでこれらの費用が多い場合は赤字となり、自分の資金が底を突くことになります。この引き際がいつか、と見極めることを「出口戦略(Exit Strategy)」と言い、ビジネスや事業、行為を撤退させる際にできる限り負の影響を最小限に抑えるための重要な戦略となります。

このサンク・コストに対する最も有効な策は勇気ある撤退です。これまでのことは無視して、これからの未来を考えることが必要となります。

日本の高知競馬場で短期騎乗した際に、最終レースが一発逆転ファイナル・レース、という名前でしたが、ファンの皆様に心が痛む思いです。


賀谷祥平
競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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