【税とビジネス】ビジネス・オーナー必読――ATO申告の大きな変更

ビジネス・オーナー必読――ATO申告の大きな変更

ビジネスによっては今年の7月から、または来年2019年7月から給与管理、ATOへの報告が大きく変わります。「シングル・タッチ・ペイロール(Single Touch Payroll)」と言い、ATOが給料、スーパーアニュエーション、税金の源泉徴収の報告を全てオンラインで一括管理、雇用主は全てオンラインでの報告となります。18年4月1日時点で従業員が20人以上のビジネスは同年7月からの強制施行、19人以下のビジネスは19年7月からの強制施行となります。つまり、20人以上のビジネスは今から、19人以下のビジネスもなるべく早く会計ソフトに変更する必要があります。

これによりこの国は、雇用主の給料、スーパーアニュエーションの支払いを一括管理し、従業員の収入情報を握ることを目論んでいます。自分でタックス・リターンを申告する方は全てATOに握られた情報のみで申告する、ATOと直接データ通信をすることによりATOの思うつぼということです。データの照合が容易になるため、雇用者にとってはスーパーアニュエーションの支払順守も摘発されやすくなります。

既にXeroや給与管理の付いたオンラインのMYOBなどの会計ソフトをお使いのビジネスはこのままで問題ありません。

一方で、大きな変更を余儀なくされるのが、まだエクセルや、給与管理の付いていないMYOBで給与を管理されているビジネスです。元々、有給計算や正しいPAYGペイメント・サマリーの作成が困難となるため、ある程度の人数の必要なビジネスはエクセルでの管理が実質的に難しかったのが事実です。それでも無駄に時間をかけ、無理やりエクセルで行い、有給計算をしていない、給料と税金を間違ってしまうビジネスが後を絶ちませんでした。

また、ここで問題となるのが、法人(Company)で行っているビジネスです。通常、会社でビジネスを行う場合、ビジネス・オーナーは自分の会社の従業員という形でお金をもらいます。従業員を雇っていなくとも、自分は従業員ですので、この「Single Touch Payroll」に当てはまります。

費用も問題となります。今までは最初に会計ソフトを買い、エクセルを利用していたのが、月々幾ら、という会計ソフトの利用料が掛かります。給与管理に会計ソフトを導入する必要があり、この移行、導入は容易ではありません。今まで貯まっている有給休暇の移行、会計年度の途中での変更の場合は、変更までの給料、税金の入力、移行が必要となります。会計事務所も混雑する事務所や、会計ソフトの知識のある、ない、で任せる会計士により困難になってきますので、早めの対応をお勧めいたします。ATOもまだ、移行期間で全てを発表していません。詳しくはATOのウェブサイト、会計士事務所にお問い合わせください。


賀谷祥平
競馬騎手、Ezy Tax Solutions Pty Ltd代表取締役。豪州公認会計士、米国公認会計士、登録税理士。James Cook University MBA、University of New England会計学修士、上智大学経済学部卒。2001年上智大学在学中に、騎手を志し豪州の競馬学校に入学。03年、NSW州Coffs Harbour競馬場にて騎手デビュー。現在はNorth QLDで騎乗している。
Web: www.facebook.com/shoheikaya

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